あの丸くて細長い形状が生理的に受け入れられない人や、くねくね動く動きそのものがダメという人が多い生き物と言えば・・・ヘビ、ですね。 なぜ、多くの人はそれほどまでにヘビが嫌いなのか。 一説には、人類が誕生したときから、ヒトはヘビに襲われ、あるいは毒殺され、あるいは絞め殺された ― その長い歴史から培われた本能とも言われています。 ところでヘビ全体の中で毒蛇の割合は、25%程度だそうです(Wikipedia「毒蛇」より)。ヘビならすべてが危険というわけではなく、居住地域にいる毒蛇にだけ気をつけておけばいいのですが、心理的にはどんなヘビであれ、見るだけでも背筋がぞっとするものですね。 動物にとっても、ヘビは恐ろしい存在、近づきたくない相手らしく、その本能を利用したユニークな鳥獣害対策が栃木県で始まりました。 見た目怖くて、害獣も逃げる? その名も「ヘビウリ」、JA佐野が栽培し実験 ヘビウリはインドやパキスタンが原産とされ、長さ1メートル以上の細長い果実を付けるウリ科の一年草。果皮には筋が入り、果実は育つと巻くようにうねり、遠目には蛇がぶら下がっているように見える。 JA佐野吾妻支店の相良賀唯(さがらよしただ)支店長が、知人のスリランカ人から「蛇に見えるヘビウリを動物は避けるので、スリランカでは鳥獣害対策に使う」と聞いたことをきっかけに、実験を始めた。同国から取り寄せた苗を同支店玄関前に植えたほか、鳥獣害が深刻な葛生地区の農業関係者にも苗を分けた。 (下野新聞・SOON 2018年9月3日掲出) 写真で見るヘビウリは、たしかにどっしりとした貫禄ある大ヘビにしか見えません。鎌首を持ち上げた姿までそっくり。まさに木から垂れ下がるヘビ、ヘビ、ヘビ・・・。(写真はリンク先でご確認ください) 農家の田名網さんによると、ヘビウリの実ができ始めてからは、ナスやカボチャを食べに来ていた猿が、田名網さんの畑だけは寄りつかなくなったそうです。 これまでに行った電気柵やネットなどの対策はあまり効果が出なかったといい、田名網さんは「ヘビウリは本当に効果があるのかもしれない」と期待を寄せている。(前出サイト) ヘビウリ栽培はプロの農家にはたやすいことでしょうし、ネットや電気柵よりもはるかに経費はかからないでしょう。 また、ヘビウリは炒め物にして美味しく食べられるそうですから、まさに一石二鳥。 しかし、ひとつだけ心配事があります。ヘビウリ畑の中に本物のヘビが紛れ込んだら、どうなるのでしょうか。ヘビウリを収穫するつもりで伸ばした手の中に・・・。 そのシーンを考えただけで冷や汗ものですが、そうならないことを祈るばかりです。 世界のどこかにヘビが嫌がる生き物をまねた植物はないものでしょうか。(水田享介) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
ニュースを読む一覧へ |