夏休みの定番と言えば、プール、夏祭り、虫取り...。数え上げればキリがありませんが、小中学生にとって避けては通れないのが、夏休みの宿題ですね。 そのなかでも「自由研究」はとてもやっかいなものでした。 自分で課題を見つけて、その答えを見つけるのが自由研究ですが、そもそもその課題が見つからない。よしんば課題は見つかってもその謎の解明は子どもには難しく、何の手がかりも得られず夏休みが終わってしまうものばかり。 できれば数日、いえ一日で答えが見つかる都合の良い自由研究はないものか。筆者の子ども時代の夏休みは、解きやすい自由研究の発見に費やされていたような気がします。 ところが、超難問にいどみ見事に答えを見つけた中学生がいました。少し前になりますが、2002年に文部科学大臣奨励賞を受賞した自由研究が注目を集めています。 「なぜ38度の日は暑いのに38度の風呂は熱くないの?」 中学生の自由研究に絶賛 試行錯誤の末に結論を導く 全国の小中学生を対象とした理科自由研究コンクール「自然科学観察コンクール」で2002年に文部科学大臣奨励賞を受賞した「38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか」が話題を呼んでいます。2002年に発表された自由研究ですが、SNSで拡散されたことをきっかけに注目を集めたようです。 (ねとらぼ 2018年7月16日掲出) 「38℃の日は暑いと思うのに、38℃の風呂が熱くないのはなぜか」 言われてみるとその通りですが、そのことを説明できる言葉が見つからないのは筆者だけではないでしょう。 室温が30℃を超え始めると、急に暑く感じるのは誰もが実感としてわかっています。家庭やオフィスでは、エアコンの温度設定を27~28℃にしている理由もそこにあります。 他方、お風呂の温度が30℃程度では、誰も熱く感じることはありません。体温に近い37℃でもぬるく、41℃を超さないとお風呂で暖まることはできません。 それなのに夏の猛暑日といわれるのは、気温が35℃すぎから。体温を超えると殺人的な猛暑といわれるのです。人間はなんと身勝手なことかと言われても、そう感じるので仕方がありません。 肌感覚で誰もが納得している現象でも、その理由を解明しようとすると、とても難しいものです。 この問題を調べ始めた中学生たちは、何度も仮説を立てて実験を繰り返しますが、そのつど覆されます。ついにはおとなの学者からアドバイスを受けました。ところがそれも理にかなっていないことを、自分たちの実験で解き明かすのです。 そしてついに、合理的に説明の付く理由を見つけ出したのです。いくつもの仮説から真実に近づいていく過程は、実に興味深いものでした。 暑く感じるのは、温度が高い夏だから当たり前。そういう常識にとらわれていてはいけないことがわかりました。 この自由研究は、「自然科学観察コンクール」というサイトで見ることができます。 「38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか」 (愛知県刈谷市立刈谷南中学校2年/3年 原田丈史くん他5名:文部科学大臣奨励賞入賞) https://www.shizecon.net/award/detail.html?id=15 このサイトには他にもたくさんの興味深い研究が収録されています。 もしお子さんが自由研究のテーマが見つからないと悩むようならば、このサイトを参考に一緒に考えてみてはいかがでしょうか。(水田享介) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■関連リンク 「自然科学観察コンクール」 公式サイト https://www.shizecon.net/ --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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