みなさんはご存じでしょうか。大都会、東京に今年からカッパが復活したことを。 カッパと言えば水辺に潜み、水遊びに来た子どもや家畜にいたずらをする、ちょっと恐ろしくも不気味な生き物です。水木しげる先生をご存じの方なら、漫画『河童の三平』の飄々とした姿が思い浮かびますね。読書好きの方なら、芥川龍之介の『河童』も外せないことでしょう。 ただし、今では想像上の産物、架空の妄想とみなされ、自然の河川などほとんど残っていない東京では、カッパは忘れられた存在でした。 そのカッパがなぜ東京に、しかも「復活した」とはどういうことでしょう。 21年ぶり「カッパバッジ」復活 東京都は、かつて、10月1日の「都民の日」にあわせて発売され、かわいらしいデザインで子どもたちに親しまれた「カッパバッジ」を21年ぶりに復活させ、都内で販売しています。 「カッパバッジ」は、東京都が昭和34年から平成9年まで販売していたバッジで10月1日の「都民の日」に身につけていると、都電や動物園などの施設が無料になる特典があることから子どもたちを中心に親しまれていました。 東京都は、江戸から東京になってことしで150年となることを記念して、このカッパバッジを21年ぶりに復活させ、今月10日から都内で販売しています。 (首都圏 NEWS WEB 2018年7月13日掲出) 「都民の日」とはいえ国の祝日ではないため、大人にはあまり実感のない「祝日」ですが、実は子どもたちには評判が良いようです。それは「都民の日」の10月1日は都内の公立学校がお休みになるから。わかりやすいですね。 また、普段は有料の動植物園、水族館、公園、博物館、美術館などの都の施設が、軒並み無料で入れる特典もあります。 ところで、なぜ想像上のカッパが、東京都民の日のキャラクターに選ばれたのでしょうか。その説明が東京都のサイトにありました。 カッパバッジはこうして生まれた カッパバッジは正しくは「大東京祭記念徽章」と言います。太田道灌が江戸城を築城して500年を記念した「第一回大東京祭」の記念バッジとして製作されたのがはじまりで、カッパがモチーフに採用されたのは昭和34年(1959年)の第四回大東京祭から。当初は『かっぱ川太郎』や『かっぱ天国』を描いた漫画家の清水崑さんが、清水さんが亡くなられたあとは漫画家の小島功さんが受け継ぎました。 カッパがモチーフに採用されたのは、「隅田川に住む河童が橋の工事を手伝い、水害から救われた」という伝承に基づくもの。川の水をきれいに、という当時の願いも込められていたと言います。 (東京150年事業・「復活!都民のカッパバッジ」 より引用) https://www.tokyo-150.jp/badge ※東京150年事業・「復活!都民のカッパバッジ」 公式サイトより 今の東京の元となった江戸には、すみずみまで水路が張り巡らされており、この水運のおかげで大都市・江戸は発展してきた歴史がありました。 現在の都心の首都高、幹線道路の多くが、江戸時代に整備された運河や堀をそのまま転用していることからも納得できます。 「河童が橋の工事を手伝った」、「水害から救われた」、「川の水をきれいに」・・・。 運河や河川が消えたいまの東京では聞くことはなくなりましたが、水害の多い今年、心に訴えてくる重い言葉になりました。 今年の「都民の日」の10月1日は月曜日です。三連休の子どもたちも多いことでしょう。カッパバッジを付けた子どもたちが、カッパのように都内の至る所に出没することを楽しみにしています。(水田享介) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■関連リンク 『「Old meets New 東京150年」事業 カッパバッジの販売について』 (東京都・制作企画局・報道発表 2018年6月22日) http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/06/22/10.html --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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