中東の産油国サウジアラビアは、その豊かな石油資源のおかげでつい最近まで国民は無税でした(2018年1月1日から5%の付加価値税を導入)。 国の収入の7割以上を石油が占め、医療費や教育費は基本的に無料。当然のようにガソリンを始め、砂漠地帯では貴重な水も補助金によって低価格で提供されているそうです。 日本では考えられない豊かさですが、一方で宗教上の理由からさまざまな規制があります。 代表的な例が女性に対する規制。アバヤという全身を覆う黒服の着用は、サウジ女性はむろんのこと、外国人女性にも義務づけられています。 そして、世界で唯一、サウジアラビアでは、女性がクルマを運転することが禁止されていました。女性がクルマで外出するには、運転手を雇うか家族に頼むほかなかったのです。事実上、女性だけで出かけたり集まったりすることは不可能でした。 せっかくガソリンが安くても、サウジアラビアでは女性はその恩恵は感じられなかったでしょう。 そんなサウジアラビアでしたが、2018年6月24日、ついに女性の運転が解禁されました。 サウジで女性の車の運転が解禁 「とても興奮しています」 サウジアラビアで24日、女性の自動車運転が解禁された。イスラム教の厳格な解釈を背景に世界で唯一女性の運転を禁じていたが、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が推進する大規模な経済社会改革の一環として自由化に踏み切った。国民の多くは「改革の象徴」と歓迎しているが、保守派からは反発の声も聞かれた。 首都リヤドの目抜き通りでは、24日午前0時(日本時間同6時)を過ぎたとたん、女性が運転する車が目につき始めた。全身を覆う黒い衣装「アバヤ」姿でハンドルを握った女性らは「とても興奮しています」などと語った。 (産経ニュース 2018年6月24日掲出) 改革といわれてもピンと来ませんが、サウジの女性達の喜びようから、国民にとってただごとではないことが伝わってきます。 さて、あまり話題になっていませんが、実は運転が解禁されたのはクルマだけではなかったのです。 なんと、オートバイの運転も一緒に解禁になっていました。でもサウジアラビアに女性のバイクライダーはいるのでしょうか。 バイクで「自由」を手に、運転解禁を待ちわびるサウジ女性 【6月21日 AFP】スキニージーンズをはき、ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)のTシャツを着たサウジアラビアの女性が、首都リヤドのスポーツサーキットをオートバイで駆け抜けようとは1年前ですら想像できなかった。 サウジアラビアでは何十年もの間、女性の運転が禁止されていた。だが、24日の歴史的な運転解禁を前に、女性たちは民間が運営する「バイカーズ・スキルズ・インスティチュート(Bikers Skills Institute)」に毎週集まり、オートバイの運転を習っている。 (AFPニュース 2018年6月21日掲出) どんな国にもバイク愛好家はいるものですね。 ところで「アバヤ」でない服での外出も解禁していただかないと、クルマもバイクも運転が危なっかしく感じるのは、筆者だけではないでしょう。(水田享介) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■関連リンク ・サウジアラビアの政治情勢を知るには・・・ 揺れ動くサウジアラビアと若きプリンス (NHK NEWS WEB/WEB特集・国際部記者 鮎合真介 2017年12月8日) https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_1208.html --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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