二年後に迫った東京オリンピックですが、この冬の平昌オリンピック・パラリンピックが終わったばかりで、まだ実感がわくほどではありません。 そんな中、東京都の定例会見で小池都知事がある呼びかけを行いました。 小池都知事が定例会見3月23日(全文1) 古い携帯電話を集めて五輪メダルに 小池(VTR):ご自宅で眠っている古い携帯電話であるとか、パソコンなど、中には金、銀、銅、いっぱい詰まっているんですね。でも、5000個作んなくちゃいけないんですよ、金、銀、銅のメダルを。というので、まだ道半ばでございます。もう一度あらためて、ご自宅に、古い、この携帯電話、それから小型家電、転がっていないか、あらためて見てください。 (THE PAGE/東京 「小池都知事・定例会見3月23日」2018年3月24日掲出) かつて一世を風靡した携帯電話、古くなったパソコンから、オリンピックメダルを作ろうという試み、実はこの呼びかけは昨年から始まっていました。 皆の手で五輪メダル作ろう 北島さん携帯回収呼び掛け 2020年東京五輪・パラリンピックのメダルに、不要になった携帯電話などの「都市鉱山」を活用する取り組みを盛り上げるため、東京都が21日、都庁内でイベントを開いた。競泳男子平泳ぎで04年アテネ、08年北京両五輪2冠の北島康介さんが登場し「皆さんの手でメダルを作ってもらえたら」と呼び掛けた。 (産経フォト 2017年11月21日掲出) 5000個ものメダルを、しかも価値の高い金、銀を、廃品から取り出せるのでしょうか。誰しもそんな素朴な疑問がわき起こることでしょう。 ところがこの取り組みは、けっして夢物語ではないのです。過去の当コラムでも、日本に眠る貴金属の鉱脈、「都市鉱山」について取り上げています。 [402]日本にあった!レアメタルの一大鉱脈 日本はすでに「世界有数の資源大国」になっています。 「都市鉱山」(URBAN MINE) という言葉をご存知でしょうか。 産業廃棄物となった携帯電話やコンピュータ、家電製品などから、金やレアメタルを回収する技術が進み、一説によると「日本の都市鉱山には、6,800トンの金、60,000トンの銀など、世界の埋蔵量の一割を超える金属が眠っている」 (「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」/独立行政法人 物質・材料研究機構 より) (「できる!」ビジネスマンの雑学 2017年06月05日) 都市鉱山からメダル5000個分を取り出すのは、金や銀の延べ板や各種金属をインゴットで手配するのに比べて、コスト的にどのくらい安くなるのでしょうか。いえ、ひょっとすると割高かもしれません。 しかし、日本の資源からメダルが作られることの意義を考えると、やってみる価値はあるかもしれません。 いえ、こうしたビッグイベントを契機に、都市鉱山の開発がスタートするならば、まさに一石二鳥ではないでしょうか。 東京オリンピック・パラリンピックで実現が見込まれているものに、公共交通の自動運転、AIの活用、リアルタイムの自動通訳、ネットテレビや4Kテレビの普及など、さまざまな最新技術があります。 それに比べると携帯電話やパソコンの廃品からメダルを作ることは、決して華やかではありませんが、これこそがどこの国もできなかった究極のリサイクルかもしれませんね。(水) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■関連リンク 都市鉱山からつくる!「みんなのメダルプロジェクト」 http://www.toshi-kouzan.jp/ --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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