筆者が地方都市を訪れたとき、その街に来たと実感する瞬間があります。 その土地の名物を食したときでしょうか。いえ、違います。 正解はその地にあるお城に登ったときです。たとえば、長野県では松本城、静岡県は浜松城、九州では熊本城(ただいま修理中)など。主要な都市には高い頻度でお城が残されていたり、再建されています。 特に天守閣があれば最高です。街を一望することで歴史をじかに感じることができるからです。 つい最近の2015年に、とあるお城が65年ぶりに国宝に再指定されました。島根県松江市にある松江城です。 かつては国宝に指定されていたのですが、戦後は一転、建築された時代が不明とのことで重要文化財に格下げされたのでした。※現在の松江城(Google Mapより) では、どうやって国宝に戻ることができたのか。そこには奇跡のような話があったのです。松江城"執念"の軌跡 国宝再指定を決めた「祈祷札」の発見"格下げ"から65年、ついに悲願達成 松江城は昭和10年、国宝保存法により国宝に指定された。しかし、戦後の同25年の文化財保護法施行で国宝指定の基準が変わり、判然としない歴史的事実が多いなどとして松江城は重要文化財にとどまった。(中略) 市史料編纂室の職員が、松江城近くの松江神社で調査していたところ、「慶長十六」などと墨書きされた2枚の棟札を発見した。(産経WEST 2015年6月17日掲出) 建築した年代、慶長16年(1611)が記された御札が出てきたのですが、そこには肝心の松江城の文字がなかったのです。これでは証拠とはなりえません。 (札のあった場所を見つけるため)実際に城の柱一本一本に当てはめる作業が必要になる。気が遠くなるようだった」 地階で目についた1本目の天守の柱に祈祷札を合わせてみると、ピタリとはまった。続いて、ちょうど向かい側に位置する同じ規模くらいの柱で、2枚目の札が一致することが確認された。(中略) この結果、松江城天守が完成したのは「慶長16年」と確定し、同時に文化庁が求める新知見の発見という条件もクリア。市民らの悲願だった国宝指定への道が開けた。(引用元 同上) 釘穴の一致に命運をかけた、パズルのような奇跡は感動的ですが、肝心の御札を残してあった神社も偉かったですね。(水)‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐■関連リンク松江城天守が国宝に指定されるまでの歩みと今後の活用(「文化遺産の世界」公式サイトより)---------------------「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別---------------------〇ニュースを読む〇出来事〇本・雑誌〇IT関連〇旅〇食と料理〇教育