昭和を思わせる古びた町並み、人通りの絶えた商店街、静かと言うよりも寂れた佇まいとしか言いようがない・・・地方都市には忘れられた存在の街がたくさんあります。 私たち日本人には再開発もリニューアルも難しそうな古びた街にしか見えませんが、どうしたことでしょうか。 いま、こうした場所が外国人観光客からにわかに注目を集めているそうです。 驚異のクチコミ あなたの街も観光地? 大阪の庶民的なお好み焼き屋やガード下の居酒屋。どこにでもありそうな商店街や住宅街...。「どうしてこんなところに?」と思うような場所に、外国人旅行者が殺到しています。ガイドブックにも載っていないのになぜ? 情報源は、海外の旅行サイトの「クチコミ」でした。日本を訪れる外国人旅行者はどんどん増え、ことしも過去最高を更新するのは確実です。とはいえ、「どうやったら、わが地元に旅行者を呼び込める」と苦労している自治体も多いと思います。新たな観光スポットはどのように生まれているのか、取材しました。 (NHK NEWS WEB 経済部記者 野口恭平 2017年11月9日掲出) 訪日観光客は2000年の500万人足らず(475万人)から右肩上がりに増加して、昨年2016年は2,400万人、今年は9月までの統計では約2,300万人ですからこのまま推移すれば、2017年は3,000万人の大台に乗るのは必至です。 「インバウンド訪日外国人動向」(JTB総合研究所)より 二度目、三度目と訪日する外国人も多く、一通りの観光地は訪れていることから、これからは自分のリサーチで行き先を決めるケースが増えているとか。 そこで登場するのがSNSのクチコミです。上記の記事では「トリップアドバイザー」のクチコミが大きな影響力があると紹介しています。 このサイトはホテルや航空券をネットで予約できるサイトですが、同様のサイトは「agoda(アゴダ)」や「エクスペディア」などがあり、どのサイトも宿泊客が書き残したホテルや訪問先の評価、いわゆるクチコミは予約につながる優良な情報源となっています。 では、外国人観光客の皆さんにこうした書き込みをしてもらうにはどうすればいいのでしょうか。 筆者が海外を旅した経験で言うと、まず宿泊施設にインターネット接続できる環境が完備されていることは必須条件です。もちろん無料で。 なぜなら、いい宿であれば宿泊したその夜もしくは朝食後などに評価を書き込んでもらえるからです。 できれば朝はあわただしく客を追い出すのではなく、10時、11時出発も可能なレイトチェックアウトもあると、書き込む余裕も生まれます。 次にいわゆる「インスタ映え」する演出です。食事であれ、ロビーや玄関の飾り付け、風景や町並みの歴史的な解説など、これらが最低でも英語、もしくは観光客の母国語で説明があれば、写真とともに書き込みしてもらえる可能性が高まります。 スマートフォンの登場で、道に迷うことも少なくなりました。これまでのように観光スポットをただマークした地図では見てはもらえません。風景を楽しむならこのルート、グルメならこのルートのように、何をしたいのかを観光客に選ばせる案内が喜ばれます。 また、観光案内を英語表示にするだけで、外国人観光客が来てくれるわけではありません。 古い町並みも無計画に新しくすると、その価値が失われます。囲炉裏(いろり)に語り部を置いたり、ボランティアのガイドを用意したりなど、お金をかけずに知恵と工夫でできることはたくさんあります。 古びた街には歴史や物語があります。時間をかけて蓄積された情報をどのように外国からの賓客に伝えるのか。 観光立国を目指すには、こうした埋もれた情報を掘り起こすところからスタートしてみてはいかがでしょうか。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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