スマートフォンのiPhoneに搭載されている「Siri(シリ)」といえば、iPhoneユーザーなら誰もが知っている音声アシスタントです。あらゆる質問に適確に答える「Siri」の姿(音声)は発表当初、衝撃と感嘆を持って受け入れられました。 なぜなら、「Siri」が登場した2011年にはこの音声アシスタントに匹敵するものは、世界中どこにもなかったからです。 その革新性は、アップルが最先端のIT企業である証(あかし)でもありました。 ところが、その「Siri」も今や目新しさは薄れ、他企業の追い上げを受け続け、ついには追い抜かれてしまったのではないか、と言われ始めました。アップルの「Siri」は、なぜアマゾンやGoogleの人工知能に後れをとってしまったのか アップルが開発したヴァーチャルアシスタント「Siri」は2011年の登場時、大きな脚光を浴びた。そのままSiriは市場を独占するかと思われたが、いまやアマゾンのAlexaやグーグルのGoogleアシスタントに遅れをとってしまっているようだ。アップルはどうすればSiriを再び復活させられるのだろうか?(WIRED・TEXT BY TOM SIMONITE 2017年10月25日掲出) 当コラムでは、つい先日にAIスピーカーをご紹介しています。 アマゾンがAIスピーカーとその頭脳である「Alexa」を発表すると、グーグルがすぐさま競合機の販売を開始したのは、記憶に新しいところです。[453]話題のAIスピーカー、いよいよ日本上陸 10月2日、アマゾンジャパンは、米国で大ヒットしたAIスピーカー「エコー」を、2017年中に日本で発売すると発表しました。(中略) ところが、アマゾンの発表から3日後の10月5日、グーグルは10月6日からAIスピーカー、スマートスピーカー、「Google Home」、10月23日からは「Google Home Mini」を発売すると発表しました。(2017年10月10日) アップルは音声アシスタント技術で他企業からはるかに先行していたはずなのに、なぜかこの6年間、まるでテクノロジーの進化が止まっていたかのようでした。※「Siri(シリ)」は、このままシリすぼみに終わるのか このスキをうまく突いたのがアマゾンでありグーグルでした。アマゾンは音声操作とAI技術の研究を進めるうちに、この両技術を組み合わせたAIスピーカーが、スマートフォンに替わる新しいメディアになると気づいたのです。 小さな画面とにらめっこしながら操作するより、声で命令して必要な情報を耳で聞いたり、同様に自分の声で家電を意のままに動かせるAIスピーカーの方が、圧倒的に便利なことに消費者はすぐに気がつきました。 一方でAIスピーカーは、商品の購入や不足する生活用品をアマゾンで補充するようユーザーにアドバイスします。これはアマゾンの優秀なセールスマンが家庭に常駐するようなものです。これほど強力な販売ツールは、これまでありませんでした。 ただのネット書店か通販会社程度にしか思われていなかったアマゾンは、このAIスピーカーという新しいツールをまとめ上げたことで、IT業界を代表する最先端IT企業へと脱皮しました。 これからのパーソナルメディアの主導権を握るのは誰なのか、筆者はとても興味があります。 ただひとつ残念なのは、この勝負の主要メンバーが米企業で占められていることです。 ガンバレニッポン、がんばれ日本のIT技術。(水)---------------------「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別---------------------〇ニュースを読む〇出来事〇本・雑誌〇IT関連〇旅〇食と料理〇教育