10月10日朝、日本の未来への期待を一身に浴びて、「みちびき4号機」の打ち上げが行われ、見事に成功しました。 準天頂衛星みちびき4号機、打ち上げ成功 来年4月から本格運用へ 日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う政府の準天頂衛星みちびき4号機を搭載したH2Aロケット36号機が10日午前7時1分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。みちびきは日本の独自の測位衛星で、来年度から4基体制による本格運用が始まる。 (産経ニュース 2017年10月10日掲出) これで日本版GPSは4基体制が完成して、数センチ単位の位置情報システムが動き出すことになります。 H-IIAロケット36号機/「みちびき4号機」(準天頂衛星)の打ち上げ (提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)) 世界標準の米国版GPSは10メートルの誤差があると言われていますから大変な技術革新であり、日本は高精度GPSを利用したITサービスで世界を一歩リードしたと言われています。 「みちびき」4号機打ち上げ成功 "日本版GPS"本格運用へ みちびきは、日本のほぼ天頂(真上)を通る軌道を周回する準天頂衛星で、1~4号機の4機体制で運用。GPS信号と互換性のある信号を送信し、山間部や都心部の高層ビル街などでも安定して位置情報を取得できるようになる。また、GPSでは数十メートルある測位の誤差を、最大でセンチメートル単位にまで縮められるという。 (ITmediaNEWS 2017年10月10日掲出) その一方で、日本だけが独自のGPS規格に依存することに、大きな気がかりも生まれています。 たとえば、自動車の自動運転では、日本でしか使えない高精度GPSを前提としたシステムは、他国に使ってもらうことはできません。 このことは公共交通やトラック輸送の自動運転、農業機械の自動操業、ドローンを使った輸送システムなど、さまざまな分野に及びます。 各国、各企業が世界標準化を目指して開発競争にしのぎを削っている今、日本企業が早々にグローバル化から脱落してしまうのではないか。 そうした危惧すら感じてしまいます。 日本の技術は細かいところまで気を配り、国内では使いやすく仕上がっていますが、グローバルな視点から見ると世界標準とは程遠い仕様になりがちでした。高価格過ぎたり、無駄な機能が多い、コンセプトが明確でない、など。 パソコンやケータイ電話の事例でもわかるように、世界中で使われる標準仕様、ディフェクトスタンダードが決まると、日本の独自規格はあっという間にマイナーな存在になって、日本の消費者からも忘れ去られることを繰り返してきました。 高精度がウリの日本版GPSがこれからどう発展していくのか。注意深く見守っていく必要がありそうです。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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