コンピューターやスマホが社会の隅々まで行き渡り、やれAIだ、ビッグデータだ、と企業の間では未来予測に余念がありません。ところが世の中には、時として予想もしなかった出来事がおこることがあります。しかも、いまもっともAIが活躍している分野で。 14歳の棋士、藤井聡太四段の登場です。 14歳藤井聡太四段16連勝!歴代10傑へあと1 将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が4日、自身の持つデビュー後の連勝記録を「16」に更新した。大阪市の関西将棋会館で指された第48期新人王戦3回戦で、先手の横山大樹アマ(26)を100手で破った。連勝「16」は歴代連勝記録では単独11人目、ベスト10入りまであと「1」に迫った。次戦は、12日の王将戦予選で西川和宏六段(31)と対戦する。 (日刊スポーツ 2017年5月5日掲出) 藤井四段は昨年12月24日のデビュー戦で、加藤一二三九段(76)に勝利した事により一躍(いちやく)、時の人となりました。そのポテンシャルはウソではなかったことが今回の公式戦16連勝で示されたのです。 また、今年4月23日に羽生三冠から白星をあげたことで、トップ棋士すらあっさりと打ち負かす実力者であることが証明され、将棋界に衝撃を与えました。 人生経験わずか14年の少年が、並み居る格上棋士をバタバタと倒していく姿は小説や漫画でもなかなか描けるものではありません。あまりにも現実離れしていますから。 しかし、これが現実です。 残念ながら、さしもの藤井聡太四段も5月7日の対局で、豊島将之八段に敗れてしまいました。 藤井聡太四段敗れた!けど、公式戦でないので... 愛知県瀬戸市出身でデビュー以来の連勝記録を16に伸ばしている史上最年少の将棋棋士、藤井聡太四段(14)が7日、同県岡崎市で開かれた将棋まつりの公開対局で、同県一宮市出身の豊島将之八段(27)に敗れた。 (ヨミウリオンライン・カルチャー 2017年5月9日掲出) ただ、公式戦ではないので連勝記録の16はまだ途切れたことにはならないそうです。 それにしても藤井聡太四段の連勝は、AIがプロ棋士を破ったというニュースよりも、はるかに私たちをうれしい気分にしてくれるのはなぜでしょうか。AIが負けても何とも思わないのに、藤井聡太四段が負けると残念な気持ちすら抱いてしまいます。 対局記録をより多く覚えた方が勝つと決まってしまえば、人間の記憶力をはるかに凌駕するAIが勝つのは当たり前。それでは誰も将棋に見向きもしなくなります。 対局経験の少ない14歳の少年が、対局経験豊富なプロ棋士に伍して、勝利を掴む。そこには頭の中の対局記録が多いとか少ないとかを越えた、「人にしかできない何か」が将棋にあることを示しています。 そのことに私たちは同じ人としての喜びを感じているのかもしれません。 ◆ 先日のアジア卓球選手権を制覇した平野美宇選手にしても、いまだ17歳。世界ランキング上位の選手を次々と倒していく姿には、驚きを通り越して頼もしささえ感じました。 筆者の記憶では、かつての日本の若者は格上相手や海外の試合となると、あっさりと負ける事が多かったものです。 「ガラスの心臓」、「大舞台で萎縮する日本の若者」、「いつも逃げの口実を探している」などとマスコミはここぞとばかりに叩いていました。 その昔、テレビでフィギュアスケートを見ていたら、ある女性解説者が 「日本人は胴長短足の体型なのでメダルは永遠に取れませんね」 と驚くような解説を披露していました。うんざりした筆者はしばらくフィギュア番組を見る事を止めました。 2017年のこんにち、日本人フィギュアスケーターの地位はどうでしょうか。 筆者がこれ以上言う必要はありませんね。 子供たちがスポーツやゲームを始めるとき、大人が偏った先入観で指導をしていては、その指導者を超えるような一流の選手は育たないのではないでしょうか。 この子の才能はどこまで伸びてゆくのか。誰しもが気になる問題です。 その答えはきっと、子供たちの能力をフタで押さえつけない指導者だけが知ることなのでしょう。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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