今回のタイトル、「読書習慣の育成に図書館お泊まり体験」からすぐさま、あぁ子供たちをひと晩図書館に閉じ込めて寝付くまで本責めにするのね、と思った方‐‐‐、 「大間違いです!」 「図書館にお泊まりイベント」は正しいのですが、実はお泊まりするのは 「こどもたちではありません」 では、親。 それもちがいます。 お泊まりするのは、なんと「ぬいぐるみ」です。 子供たちが普段大切にしているぬいぐるみを図書館がひと晩あずかるという、それだけのイベントです。 もちろんこれだけで子供たちが読書好きになるはずがありません。子供たちから引きはがされたぬいぐるみだって大きな迷惑です。 図書館ではぬいぐるみを預かったあと、図書館で「ぬいぐるみが絵本を読んでいる(かのように)」並べた写真を撮影して、子供たちにプレゼントします。 すると、あら不思議。その写真を見た子供たちは、「おやっ、わたしのぬいぐるみは絵本が好きなのか」と誤解します。 そして、子供たちはせっせとぬいぐるみに絵本を読んで聞かせるようになります。その繰り返しのうちに、いつのまにやら子供たち本人が本好きになる、という次第。 なかなか手の込んだお芝居ですが、これが意外と効果が高いそうです。 「ぬいぐるみお泊まり会」、読書好きな子育む効果 読書離れ対策に「ぬいぐるみお泊まり会」が効果――。岡山大の岡崎善弘講師らの研究グループは、子供を本に親しませる試みである「ぬいぐるみお泊まり会」の効果を実証したと3日までに発表した。研究成果はオランダ・エルゼビア社の科学雑誌に掲載された。(中略) 研究グループは3~5歳の幼稚園児42人を対象に、お泊まり会前後の変化を調査。ぬいぐるみに絵本の読み聞かせをする子供はお泊まり会前の2人から21人に増えた。会の後3日たつと4人に減ったが、会のことを思い出させると再開する傾向がみられた。 (日本経済新聞 2017年3月3日掲出) この仕掛けのポイントは、「本を読みなさい」と子供に強要するのではなく、あなたのぬいぐるみに「絵本を読み聞かせしてあげて」という部分でしょう。 お願いされる形で自発的に本を読む子供たちは、自尊心をくすぐられ、また、自立心の芽生えにもつながっているようです。 人生最初の読書体験は、スマホや液晶パネルではなく、紙の本であってほしいと思うのは、筆者だけでないことを願っています。(水) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■関連リンク 岡山大学・プレスリリース 2017年2月28日 「"子どもの「読書離れ」解決の鍵はぬいぐるみ!? "読書活動を推進するための人気イベント「ぬいぐるみお泊まり会」の効果を実証 子どもの読書活動の自発性を促す役割期待」 --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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