「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年06月13日
[554]驚きのOSシェア率、47%。今も愛用されている Windows 7/XP
企業はもとより、学校や役所などの公共機関でもインターネットの常時接続は当たり前となってきました。それに伴い、セキュリティホールを突いた外からの攻撃により情報資産が漏洩する事件が増加しています。 自社の技術情報が盗まれた結果、同等の品質ながら低価格の他社製品にシェアを奪われたり、顧客情報が転売されたり悪用されるなど、その被害範囲の広さ、被害額の大きさが、企業や団体にどれほどのダメージを与え、信用を損なうのかがようやく認識されたようです。 どの会社も万全のセキュリティ対策を施しているはずが、なぜ情報の流出は止まらないのか。誰しもそう思うでしょうが、実情はそうでもなさそうです。 最近のOSシェア率の調査では、いまだに、Windows 7(41.8%:2018年5月現在)が堂々の一位。二位のWindows 10(34.7%)を大きく引き離しています。 さらには、Windows XPは第四位(5.0%)の位置にあり、あろうことかつい先月(2018年5月)にはそのシェアが増加したことが判明しました。 Windows XPが増加 - 5月OSシェア Net Applicationsから2018年5月のデスクトップOSのシェアが発表された。2018年5月はWindowsとMac OSがシェアを減らし、Linuxがシェアを増やした。Windowsをバージョン別に見ると、Windows 10とWindows 8.1、Windows XPがシェアを増やし、Windows 7とWindows 8はシェアを減らした。 Windows XPはすでにサポートが終了している。長期的に見ればシェアは下落傾向を続けているが、時々このようにシェアが増加することがある。バージョン別に見てもWindows 7、Windows 10、Windows 8.1に次いで第4位のシェアを確保しており、依然として使われ続けていることがわかる。 (マイナビニュース・後藤大地 2018年6月5日掲出) Windows 7/XP という旧OSを合計したシェアは、約47% にもなります。 ※OSのシェアを表した円グラフ(筆者作成) Windows 10 が2015年7月に登場してから3年が経とうとしていますが、旧OS シェアが半数に迫るこの数字は、OSの更新がいっこうに進んでいないことを示しています。 もちろん、サポートが終了したOSであっても、正規ユーザーならば使用する権利があります。セキュリティ上好ましいことではありませんが、これからも使い続けることは違法ではありません。 また、情報流出の原因が古いOSだけにあるわけではありません。データを安易に持ち出してメモリを紛失したり、仕事の続きを自宅に持ち帰った結果、ウイルス感染した自宅パソコンから流出させるなど、セキュリティ教育の不徹底が事故を引き起こすケースも数多くあります。 銀行や鉄道などの基幹インフラネットワークでも、いまだにWindows 2000/Server などの画面を見ることがあり、筆者は内心ひやひやして利用しています。 [012]ゆるくなっていく日本社会の安全性(2015年03月16日) 先日、きっぷを買うため都心のターミナル駅に行ったのですが、出発時刻を知らせる画面がブルースクリーン(※1)になり、懐かしいWindows 2000のスタート画面を見ました。またとある都市銀行に客として訪れたとき、ご案内メニューに切り替わるまでWindows XPの操作(※2)をしばらく見学する羽目になりました。 この現状がいつになったら解消するのでしょうか。それはおそらく、開発元のマイクロソフト社にもわからないでしょう。OSは壊れたとしても、再インストールすれば使い続けることができるからです。 その解決策として打ち出されたのが、新しいBIOSを搭載したPCです。これから購入するPCはBIOS設定を変更しない限り、Windows 8以前のOSはインストールできない設計になっています。 とはいえ、使い慣れたOSは手放せない、仕事で必要なソフトウェアが古いOSでしか動作しない、などもっともな理由が解消されない限り、旧OSが消え去ることはありません。 完全無欠な人間がいないように、完璧に安全なネットワークはこの世には存在しないのかもしれませんね。(水田享介) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |