ウェブカメラ、ネットで丸見え3割 パスワード設定せず
インターネットでつながるウェブカメラ(ネットワークカメラ)をめぐり、パスワードを設定するセキュリティー対策がとられていないため、商業施設や住宅の映像・音声を第三者がネット上で見たり聞いたりできることが朝日新聞の調べでわかった。調査の対象としたカメラの3割以上がこうした状態にあり、カメラを勝手に操作されたケースもあった。
(引用元:朝日新聞デジタル 須藤龍也、長野佑介 2015年3月16日)
監視カメラが出始めた2000年頃、プライバシー侵害、肖像権はどうなると騒がれたことがありました。事件解決の証拠映像などに活用されるにつれてその声もかき消され、マンション、コンビニ、街路などいたるところで監視カメラを目にするようになりました。
もちろんこの記事の核心はネット接続されたカメラについての話で、監視カメラ全体の話ではありません。しかし、店舗や街を24時間録画すれば安全という根拠のない安心感と引き替えに、日本の社会全体が守らなくてはいけないことや本当の危険性に少しずつ鈍感になっていく怖さを感じてしまいます。
深夜に少年が4人で歩いて行った。帰りは3人になっていた。ひとり少ないのは殺されたからだ。映像に残っていたから正確な時間まで分かった、カメラがあってよかったねとは素直に喜べません。人が歩いている映像に過ぎませんが、悲しすぎる映像だと思いました。
少年達が住んでいた街では事件を防ぐためにやっておくことが山ほどあったはずなのに、それをやらなかった場面はひとつも録画されていないのですから。
セキュリティを高めたはずの社会が、モラルの維持や地道な予防対策に急速に無関心になっていく。そんな気がしてなりません。
先日、きっぷを買うため都心のターミナル駅に行ったのですが、出発時刻を知らせる画面がブルースクリーン(※1)になり、懐かしいWindows 2000のスタート画面を見ました。またとある都市銀行に客として訪れたとき、ご案内メニューに切り替わるまでWindows XPの操作(※2)をしばらく見学する羽目になりました。
どちらも去年から今年にかけてのこと。そしてどちらも50インチ以上はある壁掛けモニターで起きていることです。
これらの巨大企業が反社会的存在とは言わないまでも、わたしに向かって挑発しているのはわかります。わが身の安全を守りたければ、当社には近づくなと警告しているのを。(水)
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※1 ブルースクリーン:WindowsOSがいろいろな理由で動作を停止したときに切り替わる青い画面。画面全体が青くなり、停止した原因をテキストで表示するが役にたつことはまれ。
※2 Windows XPの操作:案内板、レジ、発券機は必ず何らかのOSで動作している。安全性に問題のあるOSが使われていることがある。
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