あなたは、遊園地がお好きですか?
この質問に「楽しいから好き!」と答えるなら、明日香出版社さんから発売となった「会計が世界一シンプルにつかめる本」における会計の世界観についても楽しめるはず。
この本は、会計に携わっていない20代のビジネス・パーソンを対象とした会計の入門書です。入門書だからといって浅いレベルをなぞるのではなく、あなたに会計のエッセンスを深く伝えるものです。しかも、本のタイトルどおり、「シンプル」に。そういえるだけの秘密があります。それをお話しする前に、ちょっとだけ私事にお付き合いください。申し遅れました、私、公認会計士の竹村純也と申します。
実は、私には恥ずかしい話があります。会計士業界に入った当初は、なんと決算書が読めなかったのです。会計に詳しいはずの専門家なのに決算書が読めないとは、非常にマズイことですよね。
もちろん公認会計士試験には合格していますので、決算書に記載されている項目が何を意味するのかは理解しています。「利益がいくら」とか「在庫がいくら」といったことは読み取れます。というよりも、当時はその程度止まり。そこに書かれた数字から、「何が起こっているのか」、「これからどうなるのか」を読み取るまでには至ってなかったのです。
しかし、先輩の会計士や優れた経営者や経理担当の方々が決算書を手にして話す内容は、そんなレベルをはるかに超えています。たとえば、「この利益の推移だと、2年後には赤字に転落する」とか、「こんなに在庫を抱えていると資金が3年以内にショートしてしまう」といったもの。決算書に書かれた金額がどうのこうのではなく、そこから将来がどうなるかという話をしているのです。
会計士という資格を名乗るからには、そのレベルに達しないと商売になりません。そこで、そのレベルにどうすれば到達するのかについて考え、いくつかを試行しました。その結果、ある観点に辿りついたのです。それは、「マネーはどう回っているか」という観点です。この観点を経営者の3つの活動に関連づけることができたときに、決算書からマネーの回り方が浮かび上がったのです。その回り方には、「過去こうだった」とか「今、こうだ」だけでなく、「将来こうなるだろう」までも含みます。すると、さきほどのように将来が見えるようになるのです。
そこで本書では、あなたにも決算書から将来がみえるように、経営者がどのようにビジネスを行っているのかについて、回るマネーという観点から解説を行っています。その上で、それが決算書にどのように表れるのかを説明しています。しかも、本書オリジナルの「ぐるぐるチャート」という絵も使いながら。あの難しそうな簿記の教科書のように、単なる会計だけの話には終始していません。だからこそ、あなたは、会計のエッセンスを深く、かつ、シンプルに受け取ることができるのです。
正直いうと、本書は、私の頭の中をさらけだしているようなものです。しかし、あなたにとっては、本書によって専門家がどのように見ているのかを追体験できるのです。たとえ会計を知らなくても、決算書からマネーの回り方が見えるようになるでしょう。まるで遊園地で、アトラクションのキャラ設定の細かな背景を知らなかったとしても、乗り物に乗っているだけで楽しめるように。
その乗り物のシートは、あなたのために用意してあります。今すぐ乗り込んで、会計というアトラクションを楽しみましょう!
竹村 純也