『42歳からのルール』の中でも書きましたが、今の40代は本当に若いと思います。ひと昔前の40代とは、まったく違う感覚で、個人的には「成熟していない」という言葉の方が、ぴったりくる感じです。
そんな良くも悪くも成熟していない40代(とりわけ前半)のビジネスマンたちは、「部下のマネジメント」をどのようにとらえているのか? この問いかけが『42歳からの上司のルール』を書くきっかけになりました。
42歳は、バブル後期の大量採用の入社組で、数に甘えて危機感が薄いと見なされがちな存在でもあります。若者雑誌などの特集では、「ダメ上司」の烙印を押されることもしばしばで、部下マネジメントが苦手だと言われる理由は、入社して以降の景気悪化から、後輩社員が極端に少なくなったことも影響していると思われます。
同期がやたらと多いバブル世代は、そもそも7割の人が課長にすらなれないという論調もあるほどで、首尾よく管理職になっても、プレイングマネジャーとして、組織のマネジメントと個人の業績責任の両方をミッションとして負わされ、疲弊する姿もいたるところで見かけます。
しかし、ビジョンを掲げ、組織を束ね、人を育てながら、結果を出していく上司という仕事には、上司にしか決して味わうことのできない喜びもあります。この本は、42歳前後の人たちに、マネジメントの本質を理解してもらい、イキイキと働いてくれることを願って、自分の体験談を盛り込みながら、ポジティブな気持ちで書きました。
書いてみて、結果的にわかったのは、時代や環境が変わってもマネジメントの本質までが変わるものではないということでした。
そういう意味でも、42歳前後の人にはもちろん読んでほしいと願っていますし、42歳以外の幅広い世代の人たちにも、大いに活用していただけるのではないかと思っています。