お金の使い方って、「これが正しくてこれは間違い」というように、簡単に白黒付けられるものではないと思うんです。
お金に関する考え方、どんな使い方をしたら満足感を得られるかは、人それぞれ。
たとえば私の友人に、すごく落ち込むようなことがあったときには、一人で高級レストランに行くという女性がいます。そこでまるで女王様のように大切に扱ってもらうことで、傷ついた心が癒され、元気になれるというのです。
これを聞いて「ああ、いいアイディアね」と思う人もいれば、「もったいない。もっとお金をかけない方法はないの?」と思う人もいるかもしれません。
でもその彼女にしてみれば、状態がもっとひどくなってカウンセリングに通うよりは安いし、その分の時間も節約できる方法だということなのです。
そう言われてみると、「う~ん、なるほど」という感じですよね。
あまりお金をかけずに自分を元気にする方法があるという人もいるでしょうし、これはもうそれぞれの価値基準でいいと思います。
でも、自分でベストな選択だと思っていても、他にもっといい方法があるかもしれませんし、もしかしたら、お金は使っているけれどもあまり満足感を得られていない人もいるかもしれません。
本書の前半部分では、自分の価値観にあったお金の使い方や、優先順位の立て方のヒントなどを書いたつもりですので、少しでも参考になればと思います。
そして後半部分では、所得税のことや年金のこと、住宅ローンや投資についてなど、もう少し実践的な内容にも触れています。
本書で基本的なことをざっと掴んでいただいて、もう少し詳しい内容が知りたいという項目が出てきたら、今度はそれに関する専門書を読むようにすると、頭に入りやすいのではないかと思います。
ちょっとここで耳の痛い話を・・・。
あるデータによると、単身の高齢女性の4人に1人が年収120万円未満の低所得者層に属しているといいます。
お金に困る老後って、想像するだけでゾッとしませんか?
かといって、今をすべて犠牲にして老後に備えるというわけにも、なかなかいかないでしょう。(想像するだけで真っ暗な気分になってしまいますよね)
今の時間は今の時間で楽しみながら、将来にも備えたい。
そのためには、やはり自分の価値観や優先順位を考えて、お金を上手に配分していく必要がありそうですね。
人生でお金が果たす役割が大きいのは間違いありません。
よりよい人生を送るために、きちんと考えていくことが必要です。
そのために本書が少しでも参考になれば、とてもうれしいことだと思います。