私が起業したときは、本当に無計画でした。自分のなかでは、成功することは間違いないと思っていましたが、周りから見ると、何も考えずに起業する無謀な人としか映らなかったでしょう。
私が所属していたのは、元々はお役所だった会社。私が辞める前には、転職する人はいましたが、起業する人など、まわりにはほとんどいませんでした。
そんな私は、起業の基本的なこともわかっていなかったのだと、今ではわかります。
今の私が、起業直前の私に相談を受けたとしたら、「もう少し、しっかりと計画を立てて起業しよう」とアドバイスすると思います。当時は、専門家に相談することすら思いつきませんでした。
そんな私が、今は起業コンサルタントとして、4年間で2,000件以上の起業相談を受けるようになったのです。
どうしてそんなことができるようになったのでしょうか?
それは、「わかりやすく教える」ことが私の強みだと気づいたからです。
まず、自分がまず試してみて、失敗したことや成功したことを、できるだけお伝えするようにしました。
そして、自分が体験していないことでも、相談者の経験から学ばせて頂き、自分の事業や他の人への相談に生かすことができたのです。
この本では、「起業」について漠然としたイメージだけしかない人でも、最初の一歩を踏み出せるように、わかりやすく書いています。
まずは、1人や少人数から事業を始めようという人が、どのようにすればいいのかについて、心構えや実際の例が書かれていることが特徴だと思っています。
起業とはどのようなものなのか、最初は何を考えればいいのか、起業前後でやることは何かなどを、「小さな起業」をされた起業家の事例などと一緒に書いていますので、考え方が学べるのではないでしょうか。
私は誰でも起業できるとは考えていますが、誰もが起業すべきだとは思いません。
会社の中にいて、幸せな人もたくさんいます。
それでも起業という選択肢をおススメしているのは、単純に楽しいからです。
自分の好きなことが、自分の責任でできる。こんな楽しいことを行っている仲間が増えるとうれしいですし、もっと起業家や独立して働く人が増えることで、日本社会にも認知されていくのだと考えています。
私の夢の一つは、
「会社での異動や転職と同じように、起業できるようになる社会を実現すること」
です。
私もこのような社会の実現のために、これからも起業支援を続けていきます!
この本により、起業する人、起業を選択肢として考える人、起業に理解をしてくれる人が増えてくれると、大変うれしく思います。
株式会社OCL、株式会社プロモ・ラボ 代表取締役
四ッ柳 茂樹