トクする!情報成長術
2020年02月05日
第83回・VRで観劇する
illustration...Kakky
先日、私が原作脚本の舞台『男おいらん』がVRで配信されました。
新しもの好きの我が家にはVRゴーグルもあるので、早速観てみました。
2時間もの舞台全編をVRで配信するということは、珍しいです。
今までVRは目が疲れるという理由なのでしょうか、10分以下の番組が目立ちました。
そんななか、舞台を最初から最後まで観劇する試みが行われるようになり、まさか自分が関わった舞台が配信されるだなんて。舞台の新しい楽しみかたが始まっているのだなと実感しています。
VRで舞台を観ると、まるで自分が最前列に座り、役者さんたちを見上げているかのような、そんな不思議な感覚に包まれます。DVDで観るよりもずっと立体的なので、きぬずれの音までも伝わってくるかのような臨場感がそこにありました。
なにしろ3Dなので、録画されたものだと頭ではわかっていても、役者さんが少しこちらに近づくだけで、ドキッとしてしまいます。本当に劇場で観ている気になり、カーテンコールでは思い切り拍手をしていました。
最前列というのは限られた人にしか座ることができない特等席ですが、VRではまるで自分が一番前に座って観劇しているのではと錯覚を起こしそうになるほど、リアルでした。カメラを最前列あたりに備えて撮影していたからなのですが、誰でも最前列気分を味わうことができるのは、ある意味公平なのかもしれません。(作家・内藤みか(@micanaitoh))