illustration...Kakky
演劇の良さ、昔はよくわかっていませんでした。
映画が2000円ほどで楽しめるのに、演劇はその何倍もするので、少し高いなとさえ感じていたのです。
けれど今では演劇が好きで、いろいろ観劇もしますし、自分で脚本を何作も書かせていただいています。
関わるにつれ、演劇は、映画と比べるのではなく、アーティストのライブと近いのだということがわかってきました。生の臨場感こそがすばらしいのです。目の前で役者さんが声を振り絞り、時には涙を見せる。その迫真の演技に胸打たれ、こちらももらい泣きする。そんなライブ感が楽しめるのが観劇なのです。
けれど最初はどの舞台を観に行ったらいいのか迷う人も多いと思います。個人的には帝国劇場、宝塚劇場あたりで上演されているものは安心して楽しめると思っています。チケットも2階席など後ろのほうなら数千円前後なので私はたいてい後ろでオペラグラス片手に観劇しています。
慣れてきたら小劇場観劇がオススメです。池袋や下北沢や新宿あたりに100人から200人ほどの規模の劇場がいくつもあります。ただし、こちらはどの舞台がいいのか選ぶのが難しいでしょう。ヒントとしては、再演されているものを選ぶといいということです。好評だから再び上演することになったわけですから、いい作品の可能性は高いのではないでしょうか。
ちなみに私が脚本を書いた「男おいらん」は、最初は80席ほどの小劇場からのスタートでしたが満席が続き、2019年12月にはついに248席の劇場で4度目の再演となりました。今までで累計8000人もにご観劇いただいています。多くのかたから感動したという感想を頂戴しています。
(作家・内藤みか(@micanaitoh))