「できる!」ビジネスマンの雑学
2025年02月03日
[951]お米高値の原因は?備蓄米放出、いつから?

 2024年の秋から突如始まった米不足。スーパーの棚から米袋が消えました。そしてじわじわと値上がりを続けたお米。一時は「令和の米騒動」と騒がれましたが、農水省では新米が出回れば落ち着くだろうと予測していました。

[912]「令和のコメ不足」、コメは本当に足りないのか?
(当コラム 2024年08月26日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/2408/012650.html

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 ところが、年が明けた1月半ばから、さらに一段と価格が上がりました。

 このコラムを執筆している2025年2月初旬、東京都内では5キロ袋の標準価格は3,500~4,000円、ブランド米なら5千円越えは当たり前になっています。
 お米はもう3千円以下では買えなくなりました。特売品として2千円台の袋もありますが、それは最近登場した4キロ袋。2,800円だったとしても5キロ袋に換算すると3,500円になります。

 コーヒーひと袋が400グラムから350グラム、いまでは220グラムへと減量を続けています。それと同じ道をお米も歩むのでしょうか。お米よお前もかと言いたくもなりますね。

 お米の価格はなぜ高騰しているのか。お米の生産量は増えている(昨年の収穫量は2023年よりも18万トン多い)のに価格高騰が起きている不思議。その原因がようやくわかってきました。

「備蓄米」放出を柔軟化、農水省が指針見直し
...米価高騰は一部業者の在庫積み増しが原因との見方
現在、米価が高騰しているのは一部の卸売業者などが過剰な在庫を抱えているのが一因とみられ、備蓄米を柔軟に放出して米の流通量や価格を安定させる...。
読売新聞オンライン 2025年1月31日

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 新聞記事によると、米を流通させるはずの業者が在庫を積み上げていると断定されています。もし事実であるならお米が消費者の手に届かないのは当たり前。流通業者が意図的に流通を止めて、価格操作やつり上げを画策しているなら、何らかの対策が必要でしょう。

 これまで政府は備蓄米は米価の安定化目的で放出はできないといっていましたが、米価高騰の原因が流通にあるとわかったためその方針を見直しました。

政府の備蓄米 コメ流通が滞る場合 一時的に市場放出が可能に
コメの価格高騰が続く中、農林水産省は、政府の備蓄米について、コメの流通が滞っていると判断した場合には、一時的に市場に放出できるよう運用を見直すことを決めました。
NHK NEWSWEB 2025年1月31日

 ではいつから備蓄米の放出は始まるのでしょうか。その時期についての発表は未だありません。

備蓄米の「大転換」に農家の胸中は 価格高騰、「売り渋り」の実態
民間の米調査会社「米穀データバンク」によると、年末から上昇傾向だった卸売りの米価格が1月末は横ばいで一服感が出ているという。同社は「農水省の方針もあり、今後は価格が下がるとみた業者の販売が増えたようだ。まだ様子見の段階だが、制度設計などが分かればある程度は市場に出回るのではないか」
朝日新聞デジタル 2025年1月31日

 民間の調査会社では、放出するかもと言うだけで米価は落ち着くだろうとのこと。さてどうでしょうか。もうしばらく米価の高止まりは続きそうです。(水田享介)

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