2025年1月20日(日本時間では1月21日)は第47代米国大統領の就任式です。いわずと知れたあのドナルド・トランプ氏が大統領に返り咲きます。
これからトランプ氏の政策ひとつで関税や移民問題、停戦交渉、地球環境問題などに大きな影響が及ぶことは間違いありません。
米トランプ氏「国を正常な方向に」
就任初日に大統領令、バイデン政策の転換誓う
トランプ氏は「国を正常な方向に導かなければならない」と述べ、寛容な移民対策などのバイデン民主党政権がとったリベラルな政策を転換すると強調・・・。
(産経新聞 2025年1月20日)
なかでも身近な問題のひとつに米国内でのTikTok禁止があります。すでに最高裁で禁止が決定しています。
TikTok側の訴え 米連邦最高裁が退ける アプリ利用が実質禁止に
法律が発効すると、中国の親会社がアメリカ事業を売却しなければアメリカ国内でIT企業がアプリを配信したり、更新サービスを提供したりすることができなくなり、TikTokは運用停止の瀬戸際・・・。
(NHK NEWSWEB 2025年1月18日)
中国の運営母体はイーロン・マスク氏に買い取ってもらう提案をしています。これに対してトランプ氏はすぐには禁止せず、法の執行を延期するかもと含みを持たせています。
取引上手のトランプ氏のこと、一方的な縁切りをせず相手に損得勘定をさせて、さらに米国に有利な条件を引き出す腹づもりでしょう。
TikTok禁止法執行を3ヶ月間延期するとも言われていますが、その期間に何がおこるのでしょうか。
筆者のあてにならない予測ですが、この期間にマスク氏が新しい動画交流システムを開発してTikTokの名称と登録ユーザーを引き継ぐ計画だろうと考えます。
もしくはユーザー離れを起こしているX(エックス:旧Twitter)と統合させて、新サービスを立ち上げるかも知れません。
名称は、「XikXok」 でしょうか。
TikTokを動かしていたシステムは実質的に中国政府の管理下にありました。つまり海外の国家が米国民の約半数、1億7千万人の情報を好きなように取得・操作できるシステムです。
自国民の個人情報を握り、スマホを通して国論や選挙結果を左右できるシステムが海外の独裁国家に管理されたままでは、誰が米国大統領であっても我慢ならないところでしょう。そのまま流用するのでは禁止の意味がありません。
ところでなぜTikTokなどのSNSが禁止されるのでしょうか。若者の間で流行するSNSには大人にはわからない闇があるからともいわれます。
インスタもTikTokも なぜ子どものSNS禁止に?
TikTokでダイエットに関する動画にのめり込み、摂食障害になった末命を絶った中学生。
SNSが原因で子どもが亡くなる事態が相次ぐオーストラリア。そのオーストラリアで2024年12月、16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法律が成立・・・。
(NHK NEWSWEB/シドニー支局長 松田伸子 2025年1月14日)
誰でも投稿でき、誰とでもつながることができるSNSですが、社会経験の少ない青少年に対して彼らの弱みを狙い撃ちする手口が横行しています。犯罪組織にとっては元手も人手もかけずに、ワンクリックで数万、数十万のユーザーに甘い勧誘を仕掛けられるのです。百人に一人、千人に一人でも引っかかってくれれば儲けもの。
青少年の羞恥心や見栄などにつけ込んだ許されない未成年への犯罪から詐欺、脅迫、ロマンス詐欺、投資詐欺、危険薬物取り引きといった重大犯罪まで、ありとあらゆる事件の温床となっています。
TikTokなどのSNSが本当に社会の発展に役立っているのか。未来に引き継ぐ価値のあるシステムなのか。もう一度考え直す時期に来ているといえるでしょう。(水田享介)