「できる!」ビジネスマンの雑学
2025年01月10日
[945]30代以上に2025年問題、VHSカセットに迫る寿命

 2025年が始まると共に、テレビニュースではいくつもの「2025年問題」を取り上げ始めました。

 いわゆる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり医療体制が追いつかず医療や介護が崩壊する問題。運輸業ではドライバー不足が深刻化する物流問題。事業の継承者がいなくなってゆく後継者不足問題。人口減少が加速化すると共に地方から人がいなくなる地方衰退問題などなど・・・。

高齢化 "2025年問題" 在宅医療や救急搬送の体制構築が課題に
医療現場では後期高齢者の増加を背景に今後、在宅医療などの需要がさらに高まると考えられていて、体制の構築が課題・・・。
NHK NEWSWEB 2025年1月9日

 これらの問題は日本の総人口が減少に転じたことから始まったわけで、それは出生率が減少したまま何十年も対策を講じてこなかった国家的な問題と言えます。

 今回のコラムではもっと身近な2025年問題を取り上げます。

 それが2025年から切迫化するVHSカセットの寿命問題です。

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※VHSカセットのイメージ

 VHS方式と聞いても20代以下の方は何のことかわからないでしょう。今となっては誰も録画したり観たりすることはなくなりましたから。巻き取りテープ方式のVHSカセットにテレビ番組や家族団らんの映像を録画して楽しんでいた時代があったのです。昭和から平成半ばまで。

 そのカセットにいよいよ寿命が来たというのです。

VHS「2025年問題」思い出消滅の危機
迫る耐用年数、データ変換の依頼殺到
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)がVHSなど磁気テープに保存された情報が失われる危険性への注意を喚起する「マグネティック・テープ・アラート」を発表したのは令和元(2019)年・・・。VHSテープの寿命は約20年、長くても30年ほどといわれている。
ITmedia NEWS/産経新聞 2025年01月07日

 もし、あなたの幼い姿が映像として残っている場合、そしてあなたが30代以上の場合、このふたつに該当する方は、いますぐそのメディアのデジタル化を急いだ方が賢明です。なぜならその映像はビデオテープに記録されていると思われるからです。

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※筆者のビデオデッキは今も現役(のはず)

 ここで注意することはいくつかあります。

1)カセットの透明な窓から見て、中にあるビデオテープにカビが発生していないかを確認すること。

2)ビデオデッキがまだ家庭にあったとしても、いきなりテープを差し込まないこと。

 1)はカビが付いたテープは映像は再生できない事が多く、ビデオデッキが故障する原因となり、最悪はカセットテープを取り出せなくなる。

 2)は長年電源を入れていなかったビデオデッキは故障している可能性があり、カセットテープを差し込んだあとに排出しない場合がある。

 長い間眠っていたビデオデッキを使う場合は、クリーニングテープを再生させてヘッドを清掃するのですが、そのテープそのものの入手は困難でしょう。また、古くなったテープは早送りや巻き戻しなど強く引っ張ると切れる可能性があるためおすすめできません。ビデオデッキの中でテープが切れると、そのカセットは取り出しも再生もできなくなります。最悪の場合、ビデオデッキが壊れる可能性もあります。

 古いビデオデッキの特性として、寒い季節は可動部分のグリス(潤滑剤)が固まり動作不良を起こしがち。暖かな部屋にしばらく置いておくか、春以降に動かしてみましょう。

 もし、無事に再生できたとしても、家庭でその映像をデジタル化できるでしょうか。アナログ入力のあるDVDレコーダーやブルーレイレコーダーがあれば録画は簡単です。ダビング方法については、以下の記事が参考になります。

思い出のVHSも見られない?
"テープメディア終焉"の危機がせまる「2025年問題」を考える
ITmedia NEWS/小寺信良のIT大作戦 2024年12月26日

 もし、ダビング機器がない場合、スマホなどのカメラで再生画面を録画するのがいちばん手っ取り早い方法です。スマホは三脚やクリップなどで固定しておけば安心です。
 音声をスマホのマイクで録音している場合は、ペットのイヌやネコ、小鳥などが騒がないよう隔離しておきましょう。

 うまくいけば、幼かった自分とまだ若かったご両親の笑顔と再会できるかも知れません。(水田享介)

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