2024年12月5日、日本の伝統的な酒造り技術がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
どういうことでしょうか。
ユネスコ無形文化遺産登録!世界に誇る日本の酒造りの神髄
評価のカギとなったのが、日本固有の「こうじ菌」です。
カビの一種ですが、このこうじ菌を巧みに活かす職人たちの技術は日本にしかないもので、それが世界に評価されました。
(NHK NEWSWEB WEB特集 報道局社会番組部 宮川俊武 中山達貴)
※動画「世界の心をとらえた!日本の酒造り 無形文化遺産へ」
(クローズアップ現代/12月4日放送)
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024120403627
配信期限:12月11日(水)午後7:57まで視聴可能。利用登録者のみ
お酒に含まれるアルコールは、酵母菌に糖分を与えると炭酸ガス(二酸化炭素)とアルコール成分に分解することで生成されます。
ビールが開栓すると泡を吹き出すのはそのせいです。ビール酵母に糖分を沢山与えることでアルコール度数を高くすることもできます。
ビールやウイスキーは麦芽糖、ワインならブドウ糖と原材料に糖分が含まれているため、すぐに酵母菌が発酵し始めます。
ところが日本酒の元となるお米には糖分はなくでんぷんがあるだけ。ではどうやってアルコールを造るのでしょう。
日本酒酵母を使う前段階で、蒸し上げた酒米に糀(こうじ)菌をふりかけます。この糀が酒米のでんぷん質を糖分に変化させているのです。糖分を含んだ酒米ができあがると、次に日本酒酵母を加えてようやくアルコールを含んだ日本酒が誕生します。
日本の杜氏は、このようにして目には見えない菌の働きを伝統的な手順に従うことでコントロールし、千年以上も継続して日本酒造りを受け継いできたといいます。
日本酒は奥が深く味わいも様々。今夜あたりは先人達から受け継がれてきた糀菌を祝して杯を交わしたいですね。できれば日本酒のぬる燗で。(水田享介)