「できる!」ビジネスマンの雑学
2024年09月09日
[916]一晩寝たらスカッと解決!それ「脳内PC」のおかげかも

 仕事でアイデアを求められたり、新規事業や未解決の案件を任された時、知恵を絞って解決策を考えた経験は誰しもあるでしょう。

 それでもいい案が浮かばない時はどうすればいいでしょうか。締め切りは迫っている...。
 あなたがいよいよ行き詰まりを感じた頃、寝ている間に課題をスラスラと解決する自分を夢で見たり、目覚めと共にスッキリとした解決策が目の前に現れた(思いついた)という瞬間を迎えたこと、ありませんか。

「一晩寝たら解決策が浮かぶ」という現象のメカニズムが一部解明される、
脳は睡眠中に1日の出来事を1秒未満に圧縮して整理している
勉強や仕事などで解決策が見つからずに行き詰まった際に「一晩寝たら解決策が思い浮かんだ」という経験をしたことがある人は多い...。
Gigazine 2024年09月03日

 ベストの解決策を思いついた要因も解決に至る過程も判らないが、そのやり方で一挙解決なら、もうそれ以上の詮索は必要ないかもしれません。

 でも、いったい頭の中ではどう処理されたのでしょうか。そこには自分の「能力」を越えたある「脳力」が働いていたことが、最近の研究で明らかになってきました。

脳は1日の経験を1秒未満の再生エピソードに圧縮して処理していることが判明。さらに、2つ以上の異なる経験を並列化することで効率的な並列処理を可能にしている...。
(Gigazine 前出記事より)

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 にわかには信じがたいことですが、わたし達は「1日の経験をわずか1秒未満に圧縮」して回想したり必要な情報をすくい上げているらしいのです。しかもそれはいくつもの経験を同じ時間の中で並列して眺めたり、知見を得たりしているとのこと。
 コンピュータで映像を扱えるようになったのはここ30年ほどのことです。筆者の知る限り、アップル社が開発したQuickTime技術(1991年発表)がスタートでした。
 その中心技術は、映像の類似箇所の省略、キーフレーム、圧縮技術でした。わたし達の脳は遙か古代からこれらの映像技術を生まれながらにして持っていたと考えられます。

 ここからは筆者の類推ですが、脳は問題解決を迫られるとこれまで経験した映像記憶から、解決につながりそうな映像をピックアップして、複数の映像を次々と並列処理で脳内再生しているようです。その膨大な映像を脳内で視聴しながら、わたし達は解決策を探していると考えられます。それも本人が寝ている間のほんの一瞬の間に...。

 だとするなら課題を解決しやすい脳を作るためには、日頃からできる限りいろいろな体験をして、脳に多種多様な映像記録を残しておくことが有利になるといえるでしょう。

 類似の研究ではもうひとつ驚くことがあります。

人の脳は目で見た情報を「低解像度の圧縮データ」にエンコードして保存していることが判明
PCやスマートフォンの多くは、アプリなどをメモリ上に展開し、そこで処理したデータをさまざまな形式のファイルに変換してストレージに保存...。
人の脳も同様に、作業中の情報を一時的に保存する作業領域であるワーキングメモリの記憶を、要約された圧縮データとして保存している...。
Gigazine 2022年04月13日

 いまでは画像圧縮、映像圧縮はパソコンでは当たり前ですが、人間は太古の昔から静止画を圧縮する術(すべ)を脳内に持っていたのです。

 パソコンならばメモリやハードディスクの容量は増やせますが、人間の脳は今ある以上に容量は増やせません。
 それでも脳の記憶を増やすなら、画像の圧縮率を高めるのが手っ取り早いようです。また、画像を文字化して記憶するのも脳の記憶容量の節約になるそうです。この画像と文字の相互変換技術はいまもコンピュータでは実現していません。

24090901.jpg

 パソコンと比較することで人間の脳のすごさがわかりやすくなりました。しかし、パソコンが生まれる何千年も何万年も昔から、人間の脳はデジタル技術をはるかに凌駕する能力=「脳内PC」を持っていたのです。

 人間の脳はアナログで古く、コンピュータはデジタルで新しい。そんな単純な差別化では語れないほど、わたし達の脳の「処理脳力」は偉大です。

 あとはわたし達自身がどれだけ自分の脳を使いこなせるかにかかっていますね。(水田享介)

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