皆さんは「特撮」(とくさつ)と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
昭和世代の方なら、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」はすぐに出てくるでしょう。また、ミニチュアのビル街を壊して暴れ回る「ゴジラ」や「ガメラ」といった怪獣映画シリーズも懐かしく思い起こされます。
これに続く世代であれば「戦隊もの」と呼ばれる、○○レンジャーが登場する「スーパー戦隊」シリーズでしょうか。この戦隊もので育った若者たちは、いまやコスプレ姿で人助けや地方再生に活躍しています。
「素」のままで人助けは恥ずかしいけれど、レンジャー姿なら「平和のために戦える」という心理から?
とはいえ、率先して人助けができる行動力はすばらしいものです。
こうしたテレビ番組や映画はざっくりひとくくりに「特撮もの」と呼ばれていますが、その言葉の裏には子供だましの稚拙なコンテンツという意味もあったと思われます。(※あくまで筆者の意見です)
その「特撮」に焦点を当てた初めてのシンポジウムが、2024年7月7日(日)に東京学芸大学で開催されます。
『第1回 特撮研究シンポジウム』
-「中間制作物の学術利用と保存の危機」-
・第1部 基調講演「特撮を学問する可能性」
氷川竜介氏(明治大学大学院特任教授)
・第2部 トークセッション「研究者と特撮」
特撮研究者4人によるトーク
日時●2024年7月7日(日)
12:30 開場/13:00 開会(17:00終了予定)
場所●東京学芸大学 学芸の森ホール(東京都小金井市)
交通●JR武蔵小金井駅北口より:京王バス5番国分寺駅北口行き・小平団地行きに乗車、「学芸大正門」下車
JR国分寺駅北口より:京王バス5番武蔵小金井駅北口行きに乗車、「学芸大正門」下車
子ども向けのコンテンツが研究対象になるのか?との疑問は今も残っています。しかし、特撮番組で博士号を取得した神谷和宏氏がこのほど日経新聞に取り上げられました。神谷氏はトークセッションで登壇予定です。
ウルトラマンで博士号、特撮を観光資源に 神谷和宏さん
着ぐるみやミニチュアでつくり上げられるテレビの特撮番組は、かつて「子どもが見るもの」と一段低くとらえられていた。だが熱心なファンは海外にも数多い。
(日本経済新聞 2024年7月4日)
日本で生まれた独特の撮影技術でヒーロー文化を支える「特撮」。MANGA(まんが)、アニメ、ゲーム・・・、世界に羽ばたく日本発のカルチャー・コンテンツに特撮が入る日ももうすぐです。(水田享介)