毎年6月18日は「おにぎりの日」です。これは1987年、石川県中能登町(旧鹿西町)の弥生時代遺跡からお米をにぎったおにぎりが発掘されたことが由来となっています。
「ほほう、弥生遺跡か。土器か石器か、それとも住居跡かな?」何が出るかなと一心に土を掘り進む研究者。そこへコロリと転がり出てきたそれは、見事な三角形のおむすび、でした。
何だか古い民話にありそうなストーリーですが、これは実話です、おむすびコロリン。
日本最古 一目で「おにぎり」 第一発見者・栃木さんに聞く
一九八七年に中能登町(旧鹿西町)の杉谷チャノバタケ遺跡で、弥生時代中期の竪穴住居跡からチマキ状炭化米の塊(かたまり)が発見された。加工・調理されたものでは最古級で「日本最古のおにぎり」出土と話題に...。
(中日新聞 2021年6月18日)
弥生時代中期とは、紀元前100年から紀元後100年の約200年間。おおよそ二千年昔のおむすびです。そのきれいな三角形は、21世紀令和のいまに受け継がれていたのです。日本の食文化と伝統が脈々と受け継がれた証(あかし)のこの化石、いずれ「日本食の国宝」間違いなしでしょう。
おにぎりが出土した中能登町では、今年もおにぎりイベントが開催されました。
中能登町で復興に向け地元ゆかりの「おにぎり」楽しむイベント
地震で多くの建物に被害が出た石川県中能登町で、復興に向けて地元ゆかりの「おにぎり」を楽しんでもらうイベントが開かれました。
(石川 NEWS WEB 2024年6月16日)
ハンバーガー、ドーナッツ、サンドイッチ、ホットドック...数多(あまた)のファストフードが日本に押し寄せてきました。昭和生まれの筆者はこれらの軽食文化にどっぷりつかって成長した記憶があります。
いまでは若者がふだん口にするのは洋風軽食が当たり前となりました。
その中にあって、「おにぎり」はしぶとく生き残っています。コンビニではお弁当の隣に陣取り、日本各地にあるおにぎり専門店も盛況と聞き及びます。
日本食と言えば、今でこそ寿司や天ぷらが世界的にもてはやされていますが、寿司も天ぷらも誕生はたかだか江戸時代。おにぎりは弥生時代には完成してました。
二千年のキャリアは伊達じゃない。がんばれ、おにぎり。(水田享介)
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■関連リンク
・6月18日はおにぎりの日です。
(中能登町・公式サイト 2024年06月12日)
https://www.town.nakanoto.ishikawa.jp/soshiki/kikaku/5/2/2/1389.html