最近は近所のスーパーにも南国のフルーツが出回るようになりました。
その中でもマンゴーは早くから国産品が出回り、赤紫色に輝く宮崎マンゴーのおかげで高級フルーツと思われがちですが、東南アジアではいたって庶民的フルーツです。
同様にパパイヤもオレンジ色に完熟したフルーツを思い浮かべますが、実は東南アジアでは「青パパイヤ」という未完熟のものが調理用野菜として安価に売られています。
※フィリピン産青パパイヤ
近年の温暖化の影響でしょうか。東京近郊でも青パパイヤを栽培する農家が増えています。筆者が住む東京西部、多摩地方の畑でもトマトやキュウリと一緒に背の低いパパイヤの木が列を作って青々と育つ姿をよく見るようになりました。
パパイヤは日本では冬を越せないため単年栽培となります。寒波で枯れてしまう前に成熟に至らない青パパイヤを収穫する方法は理に適っています。
日本の田舎の風景が変わりつつありますが、気候が変われば野菜栽培もそれに合わせて変わるのは宿命と言うほかありません。東京の夏も確実に亜熱帯に移行しつつあるとようです。
NHKのサイトでも青パパイヤの食べ方を紹介しています。
栄養満点・青パパイヤの下処理~レシピ7選 産地のJA西都が紹介
酵素たっぷり野菜として知られる青パパイア。8月~11月に旬を迎えます。
(NHK宮崎 2022年09月15日)
タイでは千切りにした青パパイヤとトマト、インゲン、トウガラシなどとあえた「ソムタム」が有名です。日本で言えば「なます」のようなもの。
青パパイヤは皮を剥いた後、短冊切りか千切りにしたものを水にさらしてあく抜きをすれば、生でも炒めてもおいしく食べられます。
青パパイヤには肉の脂肪やタンパク質を分解する「パパイン酵素」が含まれているので、下処理には手袋が必要です。素手で触ると皮膚がかぶれたりします。
※パパイン酵素を含む汁がたっぷり
この特性のおかげで青パパイヤを肉と混ぜておくと、肉の筋が溶けて肉料理が柔らかく仕上がります。青パパイヤの皮は捨てずに下処理の肉と混ぜ合わせておくことをおすすめします。
※パパイヤの皮は肉を軟らかくします
埼玉県庁の公式サイトでは、おととしの2022年には「青パパイヤ料理レシピの御紹介」サイトを開設。「青パパイヤを新たな地域の特産品としてブランド化」しようと、青パパイヤを県の農産物として普及に努めています。
青パパイヤ料理レシピの御紹介
青パパイヤは南国でフルーツとして食べられているパパイヤを、熟す前に収穫した果実を野菜として利用するもので、機能性・健康野菜として注目されています。
(埼玉県庁・公式サイト 2022年12月23日)
※青パパイヤと茹で豚の辛味だれ(筆者調理例)
パパイヤの緑の葉が日本の夏に溶け込む日も近そうです。(水田享介)
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◆参考サイト◆
【青パパイヤの食べ方】下ごしらえ~保存を完全ガイド!「ソムタム」レシピも
(ニチレイフーズ/ほほえみごはん 2022年2月1日)
https://www.nichireifoods.co.jp/media/16878/