先月、偽造マイナンバーカードを使って本人と偽り、携帯電話を紛失したとしてＳＩＭカードを再発行させ、まんまとスマホを乗っ取るという犯罪が発生しました。

ロレックス勝手に...250万円被害
偽造マイナカードでスマホ乗っ取り急増 犯人の手口は?
スマホはある日突然、乗っ取られました。
先月、スマホの電波が突然つながらなくなったのは、大阪・八尾市の松田憲幸市議。商業施設内の携帯ショップに駆け込むと、衝撃の事実が...
（スーパーJチャンネル 2024年5月8日）

　記事にある被害者は、市会議員と都議会議員のおふたり。どちらも公人ということもあり、議員のサイトに個人情報はもちろん携帯番号も公表していました。

　その情報をもとにマイナンバーカードを偽造し、顔写真を本人になりすました犯人に貼り替えれば、日本全国どこの携帯ショップでもスマホが乗っ取れたようです。

マイナンバーカードなど偽造で中国籍の容疑者2人逮捕
マイナンバーカードや、日本に滞在する外国人に交付される在留カードを偽造していた千葉県内の拠点が警視庁に摘発され、中国籍の容疑者2人が逮捕されました。押収されたパソコンからはのべ2000人以上のデータが見つかった･･･。
（NHK NEWSWEB 2024年5月15日）

　中国から日本在住の仲間宛てに、白紙のマイナカード、パソコン、カード印字用プリンタまで送り付けていたそうです。中国本土にこの犯罪を計画しコントロールする犯罪組織があることは間違いありません。



　河野太郎デジタル大臣は、本物と偽造カードは「よく見ると違うところがある」、「ＩＣチップの中身は偽造されていない」から安心して欲しいと発言しています。

偽造マイナ問題、カードの目視確認→IC読み取りで対策
河野大臣「スマホ用IC読み取りアプリを検討」
（ITmedia NEWS 2024年5月15日）

　しかし、偽造カードを見分けるノウハウが携帯ショップまで行き渡っていなかった点、ＩＣチップを読み取る機器が普及していない点など、犯罪に対する対策が後手に回っていたことは否めません。

　ひとたびスマホが乗っ取られると、紐づけられたクレジットカードや銀行口座からいくらでもお金を引き出されてしまうため、ニセ札よりもその被害は巨額になってしまいます。

　スマホを乗っ取られたことに本人が気がつかなければ、被害を止めることはほぼ不可能です。カード破産か銀行残高が０になるまで盗まれ続けます。

　これからはこまめに通話したりＳＮＳをやりとりして、スマホが文鎮化していないことを確かめるしかなさそうです。（水田享介）