「できる!」ビジネスマンの雑学
2024年04月22日
[883]地球の自転は速くなる。いや遅くなる。どっち?

 地球に昼と夜があるのはご存じのように地動説の解説の通り、地球が太陽の周りを回りながら地球が日々休むことなく、毎日一回転しているからです。

 この地球の回転を「自転」と呼び、一回転が一日24時間と決まっています。周知の事実ですね。

 一方で、地球は必ずしも24時間ぴったりに自転してはいないことも、科学では当たり前のことと認識されています。人間の都合で決めたルールなど天体が守る義理などあろうはずがありません。4年の一度のうるう年にしても、一日分がまるまる足されるわけですから、人類は「365歩のマーチ」といいながらも、この例外を受け入れるほかありません。

 地球の自転が一定でないことは、時間計算に大きく影響します。あまり知られてはいませんが、50年ほど昔から27回も一秒を足して辻褄を合わせる「うるう秒」が実施されています。2年に一度は「1日は24時間1秒」だったわけです。
 このことは地球が時計よりもわずかにゆっくり回っていた証拠になります。

 ところが最近になり逆の現象が観測されました。

地球の自転が速くなっているため2029年までに「負のうるう秒」が必要になる可能性大
ネットやITサービスが大混乱になる危険性も
近年では減速のテンポが徐々に鈍化し、むしろ加速していることがたびたび指摘されるようになりました。これには複数の要因が絡んでいますが、主な理由は地球の中心部にある高温の液体コアの流れが予測不能な形で変化するからだ...。
Gigazine 2024年03月28日

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 時間計測中のコンピュータに一秒を足して運用させることは、意外に難しく、過去には航空機の運航システムやネットワークサービスの予約システムがたびたび停止しています。

 一秒足すだけでも大変なのに、どうやれば事故なく一秒を引けるのか。などといわれていて、いつそれを実行するかが議論されている模様。

 もし、この「マイナスのうるう秒」が全世界一律に実行できないと、金融、運輸、科学計測などの各分野に大混乱を引き起こすかも知れないと言われています。

 今後、いつどのように実行されるのか。わたし達は注目しておく必要がありそうです。

 しかし、世の中にはまったく逆の説を展開する科学者もいます。

「潮力エネルギーは地球の自転を減速させる可能性があり再生可能エネルギーではない」という主張
リュー氏(スタンフォード大学の科学者であるジェリー・リュー)によると、潮汐によって地球の自転エネルギーがゆっくりと自然に発散されていますが、潮力発電で潮汐力をさらに使用することで、地球の自転エネルギーが減少、地球の自転が減速する...。
Gigazine 2024年03月18日)

 この発言をしている科学者は、地球からタダでエネルギーを盗むな、というわけでもないでしょうが、もし本当であれば自然由来の発電計画は見直さざるを得ません。
 潮力発電がダメなら、風力発電はどうなるのでしょうか。

 風力発電をやり過ぎると、大気の流れを阻害して、地球の天候に影響するのでしょうか。

 地球の自転について調べると、過去の大地震が自転速度に影響したことがわかります。

スマトラ島沖地震による地球の自転速度の速まりと北極の移動
 NASAの専門家の計算によると、広範囲に悲劇的な爪あとを残した昨年12月26日のスマトラ島沖地震によって、地球の自転速度と北極の位置が変化したということだ。自転速度は地震前に比べ速くなっており、北極は数センチメートル移動した...。
AstroArts 2005年1月14日

 スマトラ島沖地震では「地球の形(回転楕円体)が上下に伸びたため」、自転速度が以前よりも速くなったそうです。

 地球は決して気紛れに自転速度を変えているわけではなく、地球には地球なりの事情があることがわかりました。

 望むらくは、出張中や旅行中など大事なイベント中に、地球が大地震で変形など起こさず、また、コンピュータ業界も危険なタイミングでうるう秒を差し挟まないで欲しいものですね。(水田享介)

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【参考資料】

1日の長さは変化しているの?
(国立天文台)
https://www.nao.ac.jp/faq/a0404.html

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