4月1日の今日、小中学校ではいまだ春休みのまっただ中。学年の変わり目である新年度のため、宿題はでないはずですが、実は春休みの宿題を出している学校があるそうです。
その宿題とは・・・、
「桃鉄(ゲームの『桃太郎電鉄』)を10年以上プレイしなさい」
つまりゲームを10年(あくまでゲーム内時間)やり尽くすのが宿題なのです。
ゲームと言えば昔から、「学校に持ち込まない」、「貸し借り禁止」、「プレイ時間は1日30分以内」などなど、禁止だらけのイメージがあります。
親世代以上の方には信じられないでしょうが、それはもう遠い昔の話。ゲームを活用した授業が全国規模で活発に行われています。
『桃太郎電鉄』「春休みの宿題として10年以上プレイ」
コナミ担当者が語る"教育版"の存在、
全国7000校以上が導入するスーパー学校教材に
(週刊女性PRIME 2024年3月30日)
※「桃鉄 教育版」ロゴ(プレスリリース資料より)
今年3月現在で全国7000校の小学校で使われているそうですから、教材としてしっかりと定着しています。
また、市販のゲームをそのまま使うのではなく、教育用にさまざまなカスタマイズが行われています。
『桃鉄 教育版』の小学校導入が4000校を突破、
低学年向けに「ふりがな表示機能」を追加
株式会社コナミデジタルエンタテインメントは、・・・ID発行数が7,000を超えたことを発表。このうち小学校はおよそ4,000校となっており、これは全国の小学校のおよそ20%に相当する。
(こどもとIT 2024年3月19日)
※『桃太郎電鉄 教育版』 体験会の模様「府中市立小中学校PTA連合会」(プレスリリース資料より)
ゲーム性を活かして、全国各地の名産・名所などを遊びながら身につけることができるほか、難読地名の書き取りや収益率の計算など、幅広い学習に活用されている。
(同上記事より)
先生方がゲームの一部を編集できる機能を持たせてあり、たとえば学校所在地にちなんだ地名や名所旧跡を追加することもできます。
ICT教育とはいいながら、そのコンテンツがどの程度整っているのか、外部からはなかなかうかがい知ることはできません
通常のゲームとは違い、学校ならではのルールに従ってカスタマイズするのはたいへんなことと思いますが、ゲーム業界が教育に貢献できるのはとても貴重なことです。
今後もゲーム業界と教育界がいい形で手を取り合えることを望んでいます。
【追加情報】
「桃太郎電鉄」誕生以前に「桃太郎伝説」がありますが、筆者はその開発スタッフと親しくしていただき、別のゲームの開発現場では共に汗を流しました。特に「ボンビー(貧乏神)」のイラストで有名な「どいん」こと土居孝幸さんとは小学生向けのお話本も制作して、全国の市町村、図書館、小学校などで読んでいただいています。
※「走れ、ジョン」(絵本版・ビデオ版/財団法人 人権教育啓発推進センター)
桃鉄開発スタッフの皆さんの末永い活躍をお祈りしています。
(水田享介)
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『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』公式サイト
https://www.konami.com/games/momotetsu/education/
(c)さくまあきら (c)Konami Digital Entertainment