「できる!」ビジネスマンの雑学
2024年03月08日
[870]マンモス再生プロジェクト、果たして実現する?

 マンモスはすでに絶滅した生物ですが、今もシベリアの永久凍土から発見されており、巨大な牙、長い毛、寒さをものともせず雪原を堂々と歩く想像図が有名です。

 エサのない雪原で生息は可能だったのか、それはわかりませんが、かなりの寒冷地でも生きられたようです。

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 そのマンモスを復活させようという計画が10年以上昔から続いており、基礎的な細胞の培養に成功したと発表がありました。

マンモス復活を目指すバイオテクノロジー企業がアジアゾウのiPS細胞作成に成功しマンモス復活に一歩近づく
Gigazine 2024年03月07日

 引用元の記事(nature 2024年3月6日 Will these reprogrammed elephant cells ever make a mammoth? ※ https://www.nature.com/articles/d41586-024-00670-z)によると、アジアゾウの細胞から山中因子を利用して、4つの iPS 細胞株を作成することに成功。
 この細胞株の遺伝子を編集して、マンモスの特徴を形成する遺伝子を組み替えることで、長い毛や沢山の脂肪などを持つマンモスが復活する可能性に近づいた-とあります。


 さて、ここで問題です。アジアゾウの遺伝子をマンモスらしい特徴に書き換えたところで、それはマンモスと呼べるのでしょうか。

 なにかとてつもなく短絡的な思考で、この再生プロジェクトが進んでいないのか心配になってきました。

 先日、園芸番組でランの花の色を決めている遺伝子を、ツユクサなど青い花の遺伝子に置き換えて--あら不思議、交配ではできなかった青い花を咲かせるランができあがったそうです。

コチョウラン 新種誕生の物語
趣味の園芸 2024年1月21日

「青いコチョウラン」第2世代を世界初公開...千葉大が遺伝子組み換えで開発
読売新聞オンライン 2023年1月23日

 また、今年の「世界らん展2024」では「光るコチョウラン」が大人気でした。

『光るコチョウラン』が大バズリ!
世界らん展2024に前回比155%の来場者
今年の目玉は世界初公開の遺伝子組み換えによって開発に成功した、ブラックライトの下で幻想的に輝く『光るコチョウラン』でした。
(読売新聞ニュースレター 2024年2月29日)
https://adv.yomiuri.co.jp/news/newsletter202403_03.html

 園芸業界では花の形や色、香りなどは流行があるため、日々品種改良を行っていますが、いまでは遺伝子編集や遺伝子置き換えなども進んでいるそうです。(※花粉を作らない設計にして遺伝子の交配は防いでいます)

 園芸で許されているのに生物はダメとは言えないのかも知れません。ただマンモス再生といいながら、実際にはまったく違った異形の生物を産み出すようでは困りますね。(水田享介)

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