先月、オーストラリア議会上院で「つながらない権利」が可決されました。
「つながらない権利」とはいったいどんな権利でしょうか。
勤務時間外の上司のメールを無視する「つながらない権利」を
従業員に認める法案をオーストラリア議会が可決
・・・オーストラリア議会の上院が2024年2月、労働者が勤務時間外の電話やメールを無視する権利の保護を盛り込んだ法案を可決しました。この法案では、オーストラリアの労働者は勤務時間外の「不合理な」コミュニケーションを拒否することができ、・・・。
(Gigazine 2024年02月13日)
記事によると、IT技術の発展でスマホとネット環境が整った社会に生きる私達は、自宅に居ようがどこに居ようが連絡が取れてあたりまえで、オフィス業務が24時間途切れずに遂行できるようになりました。
さらにはコロナ禍明けした現在、在宅勤務が社会的に認められるようになり、職場と自宅の境目があいまい化してきました。
こうしたことから、会社勤めとプライベートの区別がなくなったいま、四六時中、働くのは当然のことと受け入れる人も増えてきました。オーストラリアではこのことが社会問題化してきたそうです。
このような労働者に負担を強いる流れを是正しようと成立したのが、「つながらない権利」を含む法案です。従業員は時間外労働は当然のこと、会社からの勤務時間外の連絡も拒否できる権利を持てるようになります(ただし修正の可能性もあり)。
今後、オーストラリア国内では、夜中に入ってくるメールやショートメッセージをその場で見る必要はなくなり、それだけでも精神的な負担は軽減されると紹介しています。
日本でも「働き方改革」といって、過剰な労働時間を減らす方向に向かっているようです。しかし、一日中、仕事のメールや電話がチョコチョコと入ってくる方も多いことでしょう。
まずはこうした慣習から見直すことが必要かも知れませんね。(水田享介)