「できる!」ビジネスマンの雑学
2023年12月25日
[854]究極のエネルギー、もうすぐ誕生?ChatGPTに聞いてみた

 世界史を学ぶまでもなく、産業革命以降、世界中で発生する紛争や戦争の大部分はエネルギー覇権を巡る戦いであったと解釈できます。

 エネルギー源が石炭から石油に移った20世紀、誰も見向きもせずうち捨てられていた砂漠地域の中東がその代表例です。

 先進国は原子力発電や太陽光発電、風力発電などで巻き返しを図ろうと画策していますが、なかなかその成果が上がらない中、新たなエネルギー革命が起きようとしています。

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アメリカの核融合 いつ実現?スタートアップ企業の開発加速
発電の過程で二酸化炭素を排出せず「究極」とも言われるエネルギー技術。実現は近いのか。アメリカでその最前線を追いました。
NHK NEWSWEB 2023年12月22日

 これまでの原子力発電は核分裂でエネルギーを得てきましたが、その際に発生した核廃棄物、いわゆる「核のゴミ」は安全な処理方法が確立しないまま保管するのみで、その問題は先送りされてきました。

 いっぽうで、いわゆる太陽が「燃え続ける」のと同じ原理の核融合でもエネルギーを取り出せることはわかっています。

 しかし、この反応を地球上で実現させるには、炉の温度を1億度以上に保つ必要があり技術的に不可能と思われてきました。

 さらにこの核融合技術が産業として成立するには、与えた(投資した)資金や資源以上のエネルギー(電気や動力)を得なければならないという課題があるからです。

 1億度を保ち続ける以上のエネルギーを取り出せるのか。現在のところ、ようやく3リットルのお湯を作るだけの余剰エネルギーを計測できたそうです。

映画の世界だった核融合発電が実現するのはいつごろなのか。
業界団体(FIA)が企業にアンケートをとったところ、40社中26社が「2035年まで」と答えたそうです。
(NHK NEWSWEB/同上の記事 2023年12月22日)

 もし2035年までに核融合技術が成立すると、世の中はまったく違ったものになります。石炭や石油に頼る産業や市民生活は一変、クリーンな電気エネルギーを無尽蔵に得られるでしょう。

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 念のため、チャットくん(ChatGPT 3.5)に核融合発電がいつ実現するかを尋ねてみました。

チャットくん:
「核融合発電の商業運転がいつ実現するかについては、予測が難しく、具体的な時期を特定することは難しいです。核融合は非常に複雑で技術的な課題が多いため、その実現までにはまだ数十年かかる可能性があります。

ITERプロジェクトは、核融合実験の最先端を行うための大規模なトカマク型実験装置として注目されていますが、商業運転に至るまでの道のりはまだ長いです。ITERが成功裏に進展し、その後の技術の改善と発展が期待されますが、具体的な商業運転の時期は不透明です。

いくつかの専門家や研究機関は、商業運転が2030年代から2040年代にかけて可能になる可能性があるとしていますが、これは予測であり、将来の技術進展や課題の解決具体的な時期は不確かです。進展があるたびに、予測が修正される可能性があります。」

 いつ実現するのか、本当のところは誰にもわかっていないようですね。

 ところで、核融合がそんなに都合の良い技術かどうかも、誰にもわかってはいません。実現していないのですから。まだ公開されていない問題が潜んでいるかもしれません。

 この問題についても尋ねてみました。対話型生成AI、便利です。

 筆者:「核融合発電には環境汚染や核のゴミなどが発生する危険性はありますか」

チャットくん:
「核融合発電は、その特性からいくつかの利点があり、通常の核分裂反応に伴ういくつかの懸念事項は緩和されていますが、完全にリスクがないわけではありません。以下に、核融合発電に関連する環境および安全性に関する要点を挙げておきます。

利点:
放射性廃棄物の生成が少ない: 核融合反応においては、通常の核分裂反応とは異なり、高レベルの放射性廃棄物がほとんど生成されません。主に、トリウムやデュタリウムなどの安定した元素が使用され、生成される中性子が発生するものの、これらの元素は比較的短い寿命で自然に崩壊します。

低リスクの核メルトダウン: 核融合反応は、制御が利きやすいプラズマ中の軽い原子核同士の反応であり、核分裂反応で発生するような重大な核メルトダウンのリスクは低いとされています。

懸念事項:
中性子の影響: 核融合反応では中性子が生成され、これが反応容器の材料に影響を与える可能性があります。これにより、容器の材料が中性子放射により劣化し、放射能が発生する可能性があります。研究者は材料科学の進展などでこれらの問題に対処しています。

トリチウムの利用: 一部の核融合反応では、トリチウムと呼ばれる放射性物質が使用されます。これにより、一部の廃棄物や使用済み燃料に関連する問題が生じる可能性があります。ただし、トリチウムの半減期は短く、制御された状態で使用されるため、通常の核分裂反応に比べて廃棄物の問題は軽減されます。

総じて、核融合は非常に希望を抱かせるエネルギー源であり、環境および安全性の面で利点があると考えられていますが、まだ実用化されていないため、具体的な影響やリスクは今後の研究および開発が進むにつれて明らかになるでしょう。」

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 報道だけではわからない問題点も出てきました。どんなリスクが伴うのか誰も未だわかっていない。核融合発電が実現する将来を楽しみながら、そして恐れながら待つしかなさそうですね。(水田享介)

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