いま、地方都市が熱い!という噂があります。
たとえば、新潟市。東京や大阪の企業が2023年だけで16社も移転してきています。最近の5年間では50社を越えました。
新潟市は東京都心から新幹線なら2時間足らずの近さ。ただ、取材記事によると人気の理由はそれだけではありませんでした。
5年で50社超、大都市から雪国・新潟に企業が進出する理由
ビル賃料は4分の1、手厚い支援と「即戦力」
いま、新潟市には県外から次々と企業が進出しています。ことしは東京や大阪などから16の企業がやってきました。
その背景にあるのが新潟市の促進事業です。
(Yahoo!Japanニュース/テレビ新潟 2023年12月2日)
その理由とは。新潟市が打ち出した大胆な支援策にありました。
・新潟市の中心街、「にいがた2km」エリアに進出すると、オフィス賃料を4分の1に減額
・正社員を1年以上雇用すると、1人あたり100万円を交付
それ以外にも新潟市ならではの強みがあります。
・専門学校への進学率が国内トップクラス。新潟市内にIT系や情報系の学校が多い(44の専修学校)
・新潟市圏には優秀なITの専門学校生が多い
つまり、新潟では優秀で即戦力のIT人材が毎年産み出されており、IT企業には魅力的な土地であるというのが最大の強みです。
実は知らない方も多いのですが、明治時代半ばまで新潟県の人口は東京や大阪よりも多い約163万人(1886年)で、日本一でした。
昔は農業国だった日本において、新潟周辺はとりわけ農地が広く、それを耕す労働力が必要だったということもあります。とはいえ、多くの労働力を受け入れられたのは、食料が豊かで開放的な土地柄だったからといえるでしょう。
新潟市の歴史
新潟市は、平成17年に近隣13市町村と合併し、人口約81万人、面積約726平方キロメートルになりました。さらに、平成19年4月に本州日本海側で最初の政令指定都市となりました。
(新潟市役所・公式サイト 2022年1月8日)
※新潟名物、笹団子
一方で日本の南、九州に目を移すと、各地で半導体工場の建設計画が着々と進行しています。もうじき、IT系人材が集まる一大拠点に変わっていくでしょう。
衣食が足りた現代ですから、人間らしく暮らせる場所はどこなのか。今の人たちはそれを真剣に探し始めたのかもしれません。
東京では人が集まらない、求人をかけても応募がない・・・などと首都圏の企業はいつまでも人材不足を嘆くばかり。その根本理由を解決しない限り、新しい働き手はもうやってきません。
首都圏は進んでいて、地方は遅れている。そんな古い考えのままでいると、いつの間にか立場は逆転していることでしょう。(水田享介)
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【なぜ?】5年で50社超え!? 企業が次々と新潟に進出する理由
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(日テレNEWS 2023年11月17日)