当コラムでは以前、「城呑み」-本物のお城でパーティを開催できる企画をご紹介しました。
[539]家呑みですか。いえ、城呑みです。岡山城天守閣
「今度の飲み会はどこのお店ですか」
「お店ではありませんよ」
「では、家呑みですか。」
「いえいえ、城呑みですよ。」
(2018年05月09日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/1805/008196.html
あれから5年。日本各地にある城をもっと活用しようという試みが進み、「本物の城に泊まろう」とホテルとして貸し出す企画が全国で進んでいます。
愛媛県大洲市にある大洲城では、「大洲城キャッスルステイ」という宿泊プランを打ち出し、一泊100万円で大洲城天守に宿泊できるサービスを2020年から始めています。
"1泊100万円"の城主体験 宿泊客から「安すぎる」と言われるワケ
大洲城キャッスルステイの料金は、基本料金が1泊1人55万円。利用は2人以上からなので、最低でも110万円からの宿泊・・・。
(ITmedia ビジネスオンライン・秋山未里 2022年09月17日)
●大洲城キャッスルステイ・公式サイト
https://castlestay.ozucastle.com/
※大洲城外観(公式サイトより)
長崎県平戸は南蛮貿易で有名ですが、平戸市に残る平戸城では、2021年4月から「平戸城 CASTLE STAY 懐柔櫓(かいじゅうやぐら) 」という名称で城泊を提供しています。
1泊1室66万円! 長崎県の平戸城で、どんな"体験"を提供しているのか
かつて倉庫として使われていた平戸城の懐柔櫓を宿泊施設化。1日1組限定、1組66万円(サービス料別・食事別)で提供・・・。
23年以降は外国人富裕層が増え、今では外国人の利用が過半数を占めるという。朝・夕食とオプションの体験を含めると1泊2日、1組で100万円ほどの予算になる・・・。
(ITmedia ビジネスオンライン・小林香織 2023年09月14日)
●平戸城 CASTLE STAY 懐柔櫓・公式サイト
https://www.castlestay.jp/
※平戸城外観(公式サイトより)
※平戸城宿泊施設内装
大洲城、平戸城のどちらもただ宿泊するだけではなく、豪華な食事、伝統芸能の鑑賞、甲冑衣装の提供、乗馬などが用意されており、ひとときの城主気分を堪能できる仕組みとなっています。
ひとりで宿泊する方はあまりいないと思いますので、1泊あたり100万円以上、連泊すると数百万円はかかります。
コロナ明けの豪華な旅に、海外からの富裕層に、日本の城泊がどれだけ浸透していくのでしょうか。
日本の城は明治維新後は、維持費のかかる無用の長物としてその多くは解体されました。残った城も日本陸軍が弾薬庫や倉庫代わりに使ったり、また戦災で焼失したりと苦難の歴史を歩んできました。
こうした活用で少しでも城を残すことができるのであれば喜ばしいことですね。(水田享介)