最近、ショーケースをたたき割って高額商品を強奪したり、高齢者を縛り上げたりと暴力的かつ非人道的な強盗事件が頻発しています。
その実行犯たちを捕まえてみると、いちようにネット上でみつけた高額報酬のアルバイト、通称「闇バイト」で集められた素人集団でした。
犯行当日が初対面でお互いの顔も素性も知らないもの同士が、凶悪犯罪に手を染めている。そのことに社会は大きな衝撃を受けました。
こうした「闇バイト」の実態をはじめて警察庁が明らかにしています。
「闇バイト」で検挙 少年たちの証言まとめた事例集公表 警察庁
高額の報酬をうたい、特殊詐欺や強盗などの実行役を募る、「闇バイト」の実態や危険性を伝えようと、警察庁は、検挙された少年たちの証言をまとめた事例集を公表・・・。
(NHK NWESWEB 2023年8月20日)
実行犯たちの証言をまとめた事例集はこちら
犯罪実行者募集の実態
~ 少年を「使い捨て」にする「闇バイト」の現実 ~
(警察庁)
https://www.npa.go.jp/news/release/2023/yamibaitojirei.pdf
この証言集では、社会経験の浅い若者が軽い気持ちで応募すると、企業を装った犯行集団が履歴書などの名目で個人情報を出させたあと、今度は脅迫でむりやり実行犯に仕立て上げる過程が、くわしく紹介されています。
すべてが実際の犯罪をもとに作成されているため、疑問の余地はありません。 とにかく「闇バイト」に応募した時点で犯罪集団の罠にかかったも同然ということがわかります。
また、ネットの匿名性と未知の者同士の犯行を混同して、都合よく逃げおおせるとでも思っているふしすら感じられます。
もし、応募してしまったら相手の脅し文句に従わず、すぐに警察に相談するほかなさそうです。
「脅されていたからしかたなく犯罪に手を染めました」では、警察は見逃してはくれません。「犯罪の加害者だけど、そのこころは被害者」などと言ったところで、誰が聞く耳を持つでしょう。
お金が手に入ればラッキーと闇バイトに応募した青少年たちのほとんどが、そのお金すらもらえずに、犯行現場に置き去りにされて、警察に捕まっています。
犯罪に手を染める前に少しでも早くこの事例集を読んで、自分に降りかかる危険な未来を察知してほしいですね。(水田享介)
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「闇バイト」は犯罪実行者の募集です
(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/yamibaito/hanzaishaboshu.htm