「できる!」ビジネスマンの雑学
2023年04月17日
[788]再び、ChatGPTにおける問題点。

 ChatGPTが最近の話題のトレンドになっています。NHKのニュースサイトでは、開発会社のCEOを独占インタビューし、対話型AIの登場を、「異次元 AIの衝撃 」とまで表しています。

ChatGPT まるわかり "異次元" AIの衝撃
ネット上などの膨大な情報を学習し、まるで人間のように会話ができるAI「ChatGPT」。
世界中で急速に利用が広がり、私たちの生活に大きな影響を及ぼし始めている
NHK NEWSWEB 2023年4月11日)

 ChatGPTとは、AIを利用したチャットボット。人間と対話しているかのような自然な会話ができるチャットサービスと定義されています。

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 使い始めた誰もが、その会話内容に衝撃が走りました。人間側から出す質問に数秒の内に的確な答えを、文章で回答するからです。
 小学校の作文から中学生のテスト、高校や大学入試問題もスラスラと解いてしまうすぐれものだったのです。
 おかげでニューヨークの小中学校では使用禁止となったのは、前回のコラムでも取り上げました。

 [764]ChatGPT 登場!AIは人間の執筆活動を駆逐するか?
 また、ニューヨーク市では小学校から高校まで、ChatGPTの使用を一切禁止すると取り決めました。作文や調べ物の課題はこのチャットだけで完璧にこなせるため、教育を阻害すると判断したようです。
(当コラム 2023年01月23日)
https://www.asuka-g.co.jp/column/2301/012216.html

 1月に初めてChatGPTの話題を取り上げてから、いくつかの質問をChatGPTに投げかけてみました。その結果、いくつかの発見とマスコミでの取り上げ方への疑問がわき上がっています。

1)ChatGPTにおける学習能力の低さ
 美しい庭園でしられる足立美術館について質問しました。スラスラと場所、代表的収蔵品をあげてくれましたが、全くのでたらめ。場所は東京都足立区にある、収蔵品は国宝があるなどと言った具合。
 アメリカのガーディニング誌でも20年近く一位を取っている庭園があることすら、知識にありませんでした。広範な知識があるようで、実は一般的な常識に欠け、そのことは架空の情報で補う、もしくは取り繕うのが常です。まだ十分な知識のない学生は、うっかりと信じてしまいそうな明快な文章は、かえって毒でしかありません。

2)うまいようでつまらない文章構造
 読みやすくはかけていますが、つまらないのひとこと。自然な会話をめざそうとして開発されてはいますが、すぐにあきます。マスコミはChatGPTの文章をほめていますが、せいぜい中学生~高校生レベル。
 思索の結果、産み出された文章とはほど遠く、どこかしら生きていない文章にしか感じられません。正直に言うと、はやく消えてほしいAIプログラムのひとつです。

3)何のために質問を受け付けているのか、どこから回答をひっぱってきているのか
 いくつかの企業では、開発部門で起きる質問をChatGPTに入力することを禁止しました。質問そのものが技術情報であり、それが無断で保存されている可能性があります。また、ChatGPTが別の質問の回答として流用することで、開発中の情報が漏れ出てしまう危険性すらあるからです。
 つまり、ChatGPTは質問をストックしておき、ChatGPT側の人間、もしくはChatGPTと契約した企業は、価値のある情報を引っ張り出しているのではと疑われています。
 実はChatGPTの真の目的はここにあるのではないかとの噂すらあります。

 否定的な意見ですが、日本では国会の答弁にも活用したいと聞き、筆者としてもこうした危険性を十分に考慮した上で、導入には慎重であってほしいと願っています。(水田享介)

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