「できる!」ビジネスマンの雑学
2022年08月29日
[727]8月29日は「馬肉の日」

 8(ば)・29(にく)と読んで、8月29日は「馬肉の日」です。

 馬肉より「馬刺し」の方が言葉としては一般的なくらい、馬肉はナマの刺身として食べられています。

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 ところで、豚生肉・豚レバー、牛レバーは、生食用としての提供・販売は禁止されています(2015年から)。
 2011年のある日を境に、焼き肉店や居酒屋から一斉にユッケやレバ刺しが姿を消して、マグロユッケやこんにゃく刺しなどの代用品が登場。生食を好む食通たちから嘆きの声が上がりました。

ユッケ「食べたい」「出せない」 焼肉店が悲鳴
「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、生食用牛肉の表面加熱を義務付けた新基準導入から1週間。東京都内などの繁華街の焼肉店では、ユッケなど生の牛肉を使用したメニューがほぼ姿を消した。店側は食感の似た新商品に知恵を絞るが、生食に親しんだ客からは「ユッケを食べたい」との声が・・・。
日本経済新聞 2011年10月8日掲出)

 その原因となったのが、2011年に北陸地方や神奈川県で発生したユッケ集団食中毒事件でした。181人の方が食中毒になり5人の方が亡くなるという痛ましい事件をご記憶の方も多いでしょう。

食鳥肉や食肉の生食・加熱不足を原因とする食中毒に気をつけましょう!
牛や豚、鶏などの動物は健康であっても、人に対して食中毒を引き起こす細菌やウイルス等(※)を体の中に持っています。それらの細菌やウイルスは、もともとレバー(肝臓)などの中に潜んでいたり、食肉を処理するときに肉に付いてしまうことがあります。ですから、肉の鮮度は関係なく、このような食鳥肉や食肉を生や加熱不足で食べてしまうことにより、食中毒が起きてしまいます。
食鳥肉や食肉の生食や加熱不足で食中毒が起きてしまう理由/埼玉県庁 2022年6月30日掲載)

 では、牛豚のレバー生食は法律で禁止になったのに、なぜ馬肉の生食は問題がないのでしょうか。

農林水産省のサイトに馬肉について解説があります。

「馬刺し(ばさし) 熊本県」
もともと馬は牛や豚よりも体温が高く、食中毒の原因となる細菌が繁殖しにくいのも馬肉が生で肉を食べられる所以でもある。また、現在、徹底して衛生管理された食肉加工場で解体し、必ず冷凍して流通させることで寄生虫などへの万全の対策をとっている。
出典:農林水産省Webサイト/うちの郷土料理

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 調べたところ、馬肉が好まれる地域は限られているようです。

 熊本県、福島県、長野県、青森県では馬肉を食べる文化があるようです。いずれの県も馬肉の生産地でもあることから、納得の結果でした。

全国の馬肉文化
(大阪馬肉屋 2017年2月10日)
https://www.banikuya.jp/balog/201702/10/000048/

 筆者が住む東京を含めた関東圏では馬刺しを食べる習慣はなく、馬肉そのものが入手困難のため、なじみのない食材です。

 馬肉そのものが広く流通していないことに加えて、高価な馬刺しでしか販売がないことや、肉野菜炒めなどの庶民的なメニューの具材として提供がないことも、馬肉が普及しない一因かもしれませんね。(水田享介)

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