7月25日朝のNHK BS 海外ニュースで気になる話題が放送されました。フランスのテレビ局、F2 の配信です。
ABBA(アバ)がアバ・ターで復活、しました。
ABBAといえば、「ダンシング・クイーン」などのヒット曲で、ディスコ全盛の1970~80年代に大いにはやったスウェーデンのバンドです。昨年40年ぶりにニューアルバムを出したことは、筆者も知っていました。
しかし、コンサートまでやっていたとは知りませんでした。そして、「アバ・ター」とは?
放送では、メンバーは皆、40年の経過を感じさせない容姿とパフォーマンス。長い金髪、カールのかかった赤髪の女性ふたりはお肌つやつやで昔のまま。男性メンバーの二人もエネルギッシュに演奏していました。
70代のABBAが、若い姿の「アバター」になって42年ぶりの復活コンサート
(ニューズウィーク日本版 2022年05月28日掲出)
ロンドンで公演中のコンサートは、一回の収容は3,000人に限定。週7回の公演をこなすそうです。期間は来年の5月までの一年間。ハードスケジュールです。すでに70代の彼らに務まるのでしょうか。それが「アバ・ター」だからできるそうです。
「アバ・ター」とは、アバター(分身)のこと。70代半ばになった今のメンバーからモーションキャプチャーで舞台上の振る舞いを事前に記録。動きはそのデータを利用して、ホログラフィで容姿を40年前に戻して、ステージに再現したそうです。
往年のコアなファンは昔のままのABBAに大喜び。アメリカからロンドンまでこのコンサートを見るためにやってきたという年配者の姿も。さらに、若者へのインタビューでは
「アバ全盛の頃はまだ赤ちゃんでした。まだ生まれてませんでした。でもみんなで楽しんでまーす」
【ライブレポート】ABBA、想像を遥かに超えた驚異のアバター・パフォーマンス
(BARKS 2022年6月6日掲出)
コンサートが視覚効果も音楽も、いつでも再現可能な記録データで行われるのなら、以前なら映画や街頭テレビの3Dバージョンと非難されたでしょう。しかし、現実でも授業はもちろん、入学式や卒業式、さらには飲み会や修学旅行まで、リモートやVRなどの仮想空間で実施されています。コロナのせいとはいえ、それを受け入れる社会になったようです。
だとすれば音楽にとどまらず、演劇や古典芸能の世界でも、舞台公演のアバター化は遅かれ早かれ始まることでしょう。
コロナ禍を経験しているいま、世界のデジタル化は5年から10年、前倒しで進んだと言われています。
技術の進展だけではなく、リモートワークや仮想空間を受け入れた社会が、アバターコンサートを実現させたのかもしれません。(水田享介)
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https://abbavoyage.com/