7月20日から夏の「青春18きっぷ」の利用が始まります。きっぷの利用期間は7月20日(水)から9月10日(土)まで。
ご存じの方も多いと思いますが、青春の文字はついていますが「青春18きっぷ」の利用に年齢制限はありません。一枚のきっぷに5回分の使用権があり、ひとりで5日に分けて使うことも、5人までのグループで一日で使うこともできます。余った回数分は使用期限まで有効です。
「青春18きっぷ」の使い方と基本ルール JR普通列車が乗り放題 そもそも普通列車って?
「青春18きっぷ」は、JR旅客6社が発売しているお得なきっぷの一種です。例年、春・夏・冬に発売されます。2022年の夏は、7月20日(水)から9月10日(土)まで利用できます。値段は大人、子ども同額で1万2050円です。年齢制限はなく、誰でも使えます。
(乗りものニュース 2022年7月1日掲出)
JR駅の券売機やみどりの窓口、旅行会社で取り扱っています。
唯一の決まりごとは、乗車は普通電車に限ること(一部特例あり)。一日一回分を消費して、日本全国のJR線ならどこまでも乗り継ぐことができます。また、途中駅で乗り降りも自由です。
日帰り旅行なら、2,410円であちこちの観光地に立ち寄りながらの小旅行を楽しむことができます。
(JR九州/九州交通の要衝・鳥栖駅 筆者撮影)
「青春18きっぷ」を何度か利用した筆者のアドバイス
1.ルートの選択次第で楽しさ倍増
夏の旅なら涼しい山岳地帯を走る路線がおすすめ。また、海岸沿いをひた走る路線も夏らしくていいですね。移動距離を稼ぐだけでなく、めったに見られない風景も旅の醍醐味です。
2.乗り継ぎの接続時間は余裕を持って
列車は常にダイヤ通りに運行するとは限りません。また、乗り換えの移動距離が長い駅もあります。トイレ休憩や食事の時間も考慮しておかないと、夏場は体が持ちません。一本後の電車か途中駅の始発便にすると、座席の確保も容易になります。電車の乗り継ぎには余裕を持ちましょう。
3.早起きはやっぱり三文の得
筆者は一度は大糸線に乗りたいと早起きして出かけたところ、その日は偶然にも、運行再開したタイミングでした。なんでも崖崩れでしばらく不通だったそうです。早起きしたおかげで再開初日の大糸線に乗れたうえ、東京から富山まで一日でたどり着き、充実した一日でした。
4.快速を使いこなす
早起きして出かけても、接続が悪いと何度も乗り換えることがあります。前後の便や休日ダイヤ、臨時ダイヤは事前に調べておき、一本で長距離を稼げる電車を探すのが、遠方を目指すときのこつです。本の時刻表も貴重な情報源です。ネットの乗り換え案内には出ていない臨時便を時刻表で見つけた経験があります。
5.快適車両を狙え。時にはグリーン車も
車両によっては長いすではなく、一人がけ、二人がけのいすの車両があります。中にはリクライニングできるものも。普通電車でも長距離になるとグリーン車を連結している列車もあります。ネットなどで調べて快適に過ごせる車両を探すのも楽しみのひとつです。
6.格安航空や新幹線で出発地を変えてみる
目的地まで一日で到達するのが難しかったり、一日中乗りっぱなしに耐える体力がない場合、出発地を変えてみるのもいいでしょう。目的地近くまで格安航空便や新幹線、高速バスなどがあれば、そちらを使う方が食事代、宿泊費まで考えると安く上がることもあります。その場合、JR各社が企画する周遊券も比較検討すると、旅の幅が広がります。
「青春18きっぷ」には旅のノウハウがたくさんあります。実際に利用した経験者の声を聞くことも上達の早道です。
「青春18きっぷ」の旅 経験者に知恵・テクニックを聞く
「青春18きっぷ」を使った鉄道旅行に関するアンケートを実施したところ、プラン作成や持ち物に関する知恵やテクニック、快適に移動するための工夫、食事やトイレについての教訓など、幅広い内容の回答が集まりました。
(乗りものニュース>鉄道 2019年12月2日掲出)
予定を決めないひとり旅はもちろん、友だちや親子連れの旅にぴったりの「青春18きっぷ」。コロナ禍で出かけることの難しいこの頃ですが、今年こそのんびり旅を楽しみたいですね。(水田享介)