7月11日といえば、何の記念日でしょうか。
7-11と続けば、言わずと知れた某コンビニチェーンの日ですが、実はラーメン大好きな人にはうれしい、「ラーメンの日」なのです。
一般社団法人日本ラーメン協会が制定。ラーメン産業の振興・発展とともに、日本独自のラーメン文化を支えるのが目的。日付は7と11の7をレンゲに、11を箸に見立てたことと、ラーメンを最初に食べた人物とされる水戸黄門(水戸光圀公)の誕生日(新暦・1628年7月11日)から。
(一般社団法人日本記念日協会より)
筆者は水戸光圀公の故事は知っていましたが、黄門様がラーメンを初めて食べた日をその記念日にしたのだろうと勘違いしていました。
いまや日本人の四大国民食(※)のひとつとなったラーメン。その躍進のきっかけは、朝ドラの「まんぷく」でご存じの通り、即席麺、カップ麺の誕生があったことは誰もが認めるところでしょう。
※日本人の四大国民食(ラーメン、カレーライス、そば、うどん)と言われているが肝心のお米が入っていないので、噂に過ぎない。
連続テレビ小説「まんぷく」
今や私たちの生活に欠かせないものとなった「インスタントラーメン」を生み出した夫婦の知られざる物語を描きます。
何度も失敗してはどん底から立ち上がる"敗者復活戦"を繰り返した末、二人は世紀の大発明へとたどりつく
――人生大逆転の成功物語です。
(NHKドラマ)
筆者が育った九州の片田舎では、24時間営業のラーメン店「丸幸ラーメンセンター」があり、いつなんどきでも熱々のラーメンが食べられました。そしてラーメンと言えばとんこつ味。それ以外のラーメンは九州には存在しませんでした。
※丸幸のラーメン。今は有明のりはつきません。夜9時30分閉店に変わりました。
中学に上がり、東京の親戚を訪ねたとき、連れて行かれたラーメン店で真っ黒なスープの何かが出てきて、恐れおののいた記憶があります。
白濁したスープで育ってきたとんこつ一筋の少年には、東京の醤油のむせかえるような煮汁は耐えがたい試練でした。
「そば汁にラーメンが入っている。何かの間違いか。醤油の汁を飲むと具合が悪くなるぞ。東京人はこれをおいしいと思って食べているのか。そもそも人に供して良いものか」
さまざまな不安が頭を駆け巡り、そのとき食べたラーメンは味がしませんでした。
しかし、考えてみれば、北海道の味噌ラーメンも「味噌汁にラーメンが入っている」と、最初は恐る恐る食べた気がします。塩ラーメン、つけ麺、油そばに至っては、登場した頃は、邪道と言っていましたが、今ではおいしくいただいている自分がいます。
多種多様なスープ、各地方の豊かな具材を受け入れて、そのどれもが違う味なのにちゃんとラーメンとして育ってきた国民食は、ラーメンをおいてほかにはないでしょう。
7月11日はラーメンの日です。今日の晩ご飯はラーメンにしませんか。(水田享介)
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「丸幸ラーメンセンター」
https://www.marukoura-men.com/