筆者は当コラムでスマホの有用性は認めつつも、スマホ偏重、スマホにべったりの生活に警鐘を鳴らしてきました。
そして、ついにスマホが人体に与える聞き捨てならない影響が報告され始めました。
スマホが原因ではないかと推察される目の症状が、若者の間で増えているそうです。
それは「より目」・・・ではなく、より目がさらに進行してより目が戻らなくなる「斜視」。
スマホに顔に近づけたまま、長い間小さな画面を見続けることでより目が固定され、ついには斜視になってしまうそうです。
急性内斜視にご用心 スマホ使いすぎ見直しを
若者を中心に「急性内斜視」の患者が増えている。片方の黒目が内側に向き、物が二重に見えるようになる。スマートフォン(スマホ)の長時間使用による影響が懸念される。発症のしくみや治療法を知ろう。
一方の目の視線が鼻側に寄る「内斜視」のうち、生後6カ月以降に突然発症するものを急性内斜視と呼ぶ。これまでは症例が極めて少なく、大半が原因不明だった。
浜松医科大学医学部の佐藤美保教授によると、以前は年間2~3人だった同大学付属病院の急性内斜視の患者数が、3年ほど前から10人を超えている。患者の急増は全国各地の病院で見られ、学会でも急性内斜視に関する研究発表が目立ってきたという。
(NIKKEIプラス1/仲尾匡代 2019年3月9日掲出)
スマホは便利な道具ですが、ものが二重に見えるようでは、勉強はもとより通常の生活にも支障が出てきます。
しかも、斜視の程度によっては、手術をしても完全には治らない所まで症状が進むようです。はたして今のスマホの利用方法は人類の生理に合っているのか疑問すらわいてきます。
小さな液晶画面を見ながら歩いたり電車を乗り降りする人を街中で見ない日はありません。時にはスマホを片手に自転車やクルマを運転する危険行為もしばしば目にします。
いずれも自分への過信です。スマホぐらいは○○しながらでも使えるはずという、根拠のない自信がこうした行為を行わせています。
人間とはスマホを見ながら活動できるような「高等生物」ではありません。もとから人にはマルチタスク機能は備わってはいません。人には脳も意識もひとつしかないからです。よほどの訓練を積まない限り、人間は二つ以上の仕事を同時に処理することは不可能なのです。
便利だからといって、スマホの地図やゲーム画面を見ながら、歩いたり運転したりの「ながらスマホ」は、人様の命を奪いかねない危険行為です。
「進行方向から目を離してスマホを操作していたら人とぶつかりました。ついうっかり人を轢いてしまいました。」スマホ事故の問題は加害者に悪意がないのに、重大な事故につながっていることです。だれしも、ついうっかりとクルマに轢かれて、命を落としたくはないものです。くれぐれもご注意ください。(水田享介)
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■関連リンク
「若者の斜視にスマートフォンなどが影響か 長期調査実施へ」
(NHK NEWS WEB 2019年6月13日掲出)