今年も梅雨の季節がやってきました。降り続く雨に気分はふさぎがちですが、この時期が空梅雨では、お米が不作になったり慢性的な水不足となりますので、うまく付き合っていくほかありません。
ところが、この雨、というより起こりうる大規模水害に、堂々と白旗を揚げたお役所が現れて話題となっています。
"ここにいてはダメ" 江戸川区ハザードマップに大きな反響
「ここにいてはダメです」
表紙にこう書いて避難を呼びかける東京 江戸川区の水害のハザードマップが「あまりにも潔すぎる」とインターネットで大きな反響を呼んでいます。
(NHK NEWSWEB 2019年6月5日掲出)
区役所と言えば、地域に密着した公共サービスを提供するのが努めですが、住民の安全、財産の保全について、これ以上の責任は負えませんと、宣言したようなものです。
「ここにいてはダメ」とまで言い切る江戸川区役所。区役所として果たしてそれで良いのでしょうか。
※江戸川区のWebサイト・トップページでは「生きる喜びを実感できる都市」と言っているのだが・・・
しかし、記事にある「江戸川区水害ハザードマップ」を読むと、「ここ(江戸川区)にいてはダメ」の理由がわかってきます。
「江戸川区水害ハザードマップ」
【江戸川区を知る】
・関東平野の大河川の最下流にあるのが江戸川区
・区内の陸地の7割がゼロメートル地帯
・大規模水害で区内のほとんどが浸水する
・江東5区(足立区、葛飾区、墨田区、江東区、江戸川区)が浸水すると250万人以上の被災者が発生
・浸水したら、2週間以上インフラなしトイレなしの生活
水害が発生すると、江戸川区役所自体も2~3階まで浸水しますと、画像付きで説明しています。また、待避施設として小中学校を百ヶ所以上挙げていますが、浸水しない学校は7校のみ。残りの学校は1~2階の浸水は避けられないようです。
そこで呼びかけているのが、「広域避難」です。埼玉・茨城・千葉などの標高の高い地域に逃げるよう呼びかけています。東京の場合は、区内を避けて、東京西部にしないさいとより具体的です。
日頃から江戸川区外のどこに避難するのか、それを決めておくよう案内しています。水害が発生してからでは遅いので、どのタイミングで避難をするのか、どんなものを持っていくのか、誰と逃げるのか、避難時の交通手段はどうする、逃げられなくなったらどうするのか・・・。
災害が発生する前に、どのような行動を取ればよいのか、事細かに決めておくこと。それがあなたの生命を救います。これが江戸川区が言いたいことなのです。
結果として江戸川区から待避することになります。だからこそ、「ここ(江戸川区)にいてはダメ」なのです。
大規模災害を想定して、潔く白旗を揚げた江戸川区役所は、区民の安全をまじめに考えた役所ではないでしょうか。(水田享介)
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■関連リンク
江戸川区役所(江戸川区公式ホームページ)