今年から就活解禁日の設定がなくなり、これから6月までが内定の第一次ピークと目されています。
4月半ばのいまも、就活生たちは会社訪問や面談に臨んでいるようです。そんな中、ツィッターであるつぶやきが注目を集めました。
就活生の逆襲!?
画像は今、注目を集めている就活生のツイート。実際にあった面接でのやり取りです。就活は誰のもの?現場から聞こえてくる声です。(ネットワーク報道部記者 郡義之 藤目琴実 國仲真一郎)
冒頭のやり取りは、Office365をソフトウエアの名前と勘違いし、毎月、あるいは毎年一定額を払うことでWordなど複数のソフトを利用できるサービスの名称であることを、面接官が知らなかったが故に起きたと思われる悲劇です。
(NHK NEWS WEB 2019年4月12日掲出)
※画像はリンク先にてご確認ください。
内容を要約すると、こうです。
企業:「あなた(就活生)のPCにどんなソフトを入れていますか」
就活生:「Office365 はあります」
企業:「じゃあ、Word 使ったことないんだw」
就活生:「は?」
というやりとりがあったと、ある就活生がツィートしました。そして、
「これが就活だ」
とつぶやきを締めくくっています。
報道では「実際にあった面接でのやり取り」としていますが、筆者はこの面談のやり取りが本当にあったのか、はなはだ疑問です。
なぜなら、合否に関わる大事な面接の場で、学生のパソコンにインストール済みのソフトを聞いてその習得を類推するという、きわめて遠回りで不確かな質問をするでしょうか。
ソフトウェアの習熟度は、チェックシートにそのレベルを学生自身に記入させて、合否の判断材料に使うことが一般的です。
万が一、面接で聞くとしても企業側がソフトウェアの名称を上げて、習熟度の確認をするはずです。場合によっては実際に実技試験を行う企業すらあります。
また、Office365 というソフト名を聞いた面接官から、Word は使えないねという言葉が唐突にでてくるのは、とても奇妙です。なぜなら、面接官が Office365 を知らなければ、このソフトに Word が含まれていようがいまいが、Word の話に飛ぶことはないからです。
「これが就活だ」という締めの言葉を先に作って、そこにいたるやり取りを後から組み立てたため、何とも言えない違和感がでてしまっています。
おそらくは、「Office365 には Word や Excel が含まれることを知らない大人がいるはずだ」と想定して、このやり取りを創作したひっかけツィートといったところでしょう。
やはり就活生の創作かと疑われる理由はもう一つ。デジタルデータを扱う業務では、アプリケーションは15~30はインストール済みです。筆者のPCでは50を超えています。Office しか入っていない学生のPCとは全く違います。そういう大人の世界を知らないから、臆面なくつぶやけたのでしょう。
もし、やり取りが事実だったとしても、アルバイトやインターンシップなど、もっと気楽な面接か面談で起きたのではないでしょうか。
もうひとつ言うならば、面接の場で「は?」で生返事する就活生は、面接官と話を深めることに失敗しています。面接では良い雰囲気で会話を続けられるのか、ということも就活生はチェックされているのですよ。
いずれにせよ、つまらない言葉遊びで、就活生がせっかくのチャンスを棒に振らないことを祈るのみです。(水田享介)