今日で東日本大震災の発生から8年目を迎えます。同時に発生した原発事故により、いまもなおふるさとへ戻れない人が大勢いらっしゃいます。
避難生活を送る人はいまも5万人を超えている現実は、まだ復興が終わったわけではないことを突きつけています。
NHKのニュースサイト「NHK NEWS WEB」では、8年目を迎えた被災地を特集しています。
「東日本大震災 あの日から8年」
東日本大震災から8年を迎えた被災地の現状。あの日の教訓をどういかしていけばいいのか。
(NHK NEWS WEB 2019年)
「3・11 ドキュメント」
震災から8年、被災地の動きを動画や画像で伝えます。
(NHK NEWS WEB 2019年3月4~11日掲出)
「3・11 ドキュメント」のなかから気になる話題をいくつか拾ってみました。
東日本大震災と原発事故8年
全国で今も5万人以上が避難生活
避難を余儀なくされている人は復興庁の先月時点のまとめで全国で5万1778人に上り、震災直後のおよそ47万人から徐々に減少しているものの、避難生活はかつてないほど長期化しています。
(中略)
福島第一原発1号機から3号機で溶け落ちた核燃料を冷やすために原子炉に注がれた水が建屋の地下にたまり、そこに山側からの地下水が流れ込むなどして汚染水が発生し続けています。
(NHK NEWS WEB 2019年3月11日掲出)
「公衆電話の使い方」HPを開設
NTT東日本は、子ども向けに公衆電話の使い方を教えるホームページを開設しました。
公衆電話を使ったことがない小学生が8割近くに上るという調査結果を受けたもので、災害時に有効な通信手段だと知ってもらうねらいがあります。
(首都圏 NEWS WEB 2019年3月11日掲出)
確かに駅や街角に公衆電話をみかけることが少なくなりました。スマホで事足りると思っているのは、あの日、地震発生直後からまったく役に立たなかったことを知らない若い世代でしょうか。
いまやキャッシュレスの時代ですから、テレホンカードの使い方も教えていただけると助かります。
大津波映像 "小中学生に見せたほうがいい"
被災者などの7割
NHKは、去年12月からことし1月にかけて、岩手・宮城・福島の被災者や原発事故の避難者など、合わせて4400人余りにアンケートを行い、全体の36%に当たる1608人から回答を得ました。
この中で、小学校や中学校の防災教育で当時の津波の写真や映像を見せることについて尋ねたところ、「したほうがいい」が35.8%、「どちらかと言えばしたほうがいい」が36.5%で合わせて72.3%に上りました。
(NHK NEWS WEB 2019年3月6日掲出)
地震や津波の被害は個人的には思い出したくない過去ですが、同時に後世に伝えなければならない教訓でもあります。
東日本大震災8年 元の場所に教材販売店を再建 岩手 釜石
東日本大震災による津波で店舗を流された岩手県釜石市の学校教材の販売店がようやく元の場所に店を再建し、11日から営業を始めました。
釜石市嬉石町の学校教材の販売店は昭和30年から学校に教材や学用品を届けたり、文房具を小売りしたりする地域に根ざした店でしたが、震災による津波で店舗を兼ねた自宅の2階建ての建物は1階部分の骨組みだけを残してすべて流されました。
(NHK NEWS WEB 2019年3月11日掲出)
元の場所に店舗を再建したいという強い思いがあったからこそ、そのことが叶ったのでしょう。ただ一度は大津波に襲われた場所です。安全対策が万全であることを信じたいです。
◆
筆者の住む東京では、壊滅的な被害がなかったためか、人々から震災の記憶は薄れてしまったように思います。
3・11のあとにも何度かの地震、警報などを経験しましたが、周囲の人の反応は薄く、避難行動を取る人はほとんどいません。筆者がとる安全確認の行動を大げさだと笑う人もいました。
これが8年という歳月のなせる結果かも知れません。しかし、熊本、大阪、北海道と大きな地震が続き、日本列島は地震の活動期に入ったともいわれています。
過去の地震情報
(tenki.jp)
※熊本地震で被災した熊本城の石垣
東日本大震災を思い出す必要のない昔話にするのか、それとも未来への教訓とするのか。これからの行動で、わたしたちの未来が大きく変わることだけは確かなようです。(水田享介)