いまの世の中はたくさんの記念日であふれかえっています。毎月29日は肉(29)の日、10日はWindows10の日、6月4日は虫(64)歯予防の日、11月28日は・・・「きれいな髪のいい(11)ツヤ(28)の日」。
語呂合わせで決めた記念日も多く、この日でなければならない記念日は意外に少ないものです。
そんななか、2月13日は由緒正しい記念日、「銀行強盗の日」です。
なぜこの日になったのか。その理由は、米国でジェシー・ジェイムズ(Jesse Woodson James)が
「世界で初めて銀行強盗を成功させた日が1866年2月13日だった」
からです。このときジェシーはまだ18歳。
1861年から1865年まで続いた南北戦争に16歳から加わったジェシーは、殺人と強盗を覚えて、戦争終結後も強盗団の一員に加わり、無法者として生きる道を選んだのでした。
銀行強盗や列車強盗を繰り返しながら、米国内の州を渡り歩き、ミズーリ州から1万ドルもの賞金首がかけられてしまいます。ついには高額な賞金に目がくらんだ仲間から銃撃を受け、1882年、34歳でその生涯を終えました。
※ジェシー兄弟のお尋ね者ポスター実物
(historic Missourians より引用)
[Thomas Theodore Crittenden, Proclamation, 1881 (C2875) , The State Historical Society of Missouri, Manuscript Collection-Columbia]
1880年代の1万ドルを現在の貨幣価値に換算すると、当時の1ドル(1880年)は、現在の26ドル(2017年)に相当するそうです。(The Inflation Calculator より算出)
The Inflation Calculator
これを円換算すると、賞金は 3,068万円。
(計算式)10,000$ x 26倍 X 118円(2017 $/¥)= 30,680,000円
ジェシー・ジェイムズがやったことは強盗殺人にすぎませんが、なぜかアメリカでは100年以上経ったいまも、その人気は衰えていません。
その一例が「ポケットモンスター」の悪役、ロケット団のメンバーの名前が、英語圏ではジェシーとジェイムズになっています。日本で言えば、石川五右衛門かネズミ小僧か、はたまたルパン三世かといったところでしょうか。
また、アメリカでは10~20年おきにジェシー・ジェイムズを扱った新作映画が作られています。永遠の悪役ヒーローなのかもしれませんね。
「アメリカン・アウトロー」(2001年)
「ジェシー・ジェイムズの暗殺」(2007年)
ところで、「銀行強盗の日」に、記念日発祥の地、アメリカではどんな記念行事が催されているのでしょうか。
まさか・・・。(水田享介)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
■参考資料/関連リンク
「ジェシー・ジェイムズ」
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
「Jesse Woodson James」
(historic Missourians)