今年2019年の春節、お正月は2月5日です。中国での春節休みは2月4日から2月10日までの一週間の休暇となる方が多いようです。
したがって、今週一週間は日本全国の街なか、交通機関、観光地でたくさんの中国人観光客が旅行を楽しんでいることでしょう。
かつては「爆買い」という言葉までうんだ大量買いは影を潜め、いまでは思い思いの目的をもった観光客が体験を楽しむ旅を始めたとマスコミは報道しています。
突然始まり、急速にしぼんだあの爆買いとはなんだったのか。筆者は興味深いレポートを見つけました。
45万人が中国に数千億円の日本製品を転売 謎の在日バイヤーを追う
中国人は日本製の美容用品やベビー用品を、なぜか日本に住んでいる中国系の個人バイヤーからわざわざ購入する。バイヤーがまず日本のドラッグストアや量販店で商品を買い、SNSでつながっている顧客に紹介して転売、郵送するという。
こうした買い手は「ソーシャルバイヤー」と呼ばれ、日本に少なくとも45万人程度いるとされる。彼らの日本商品の販売金額は年間で計数千億円に及び、個人で1億円稼ぐ人もいるほど。
(ITmedia/服部良祐 2018年9月4日掲出)
爆買いの終了の理由ははっきりしています。ひとつはネット通販が普及したため、誰でも中国にいながら日本製品を購入できるようになったことです。
もうひとつは中国に商品を持ち込むときの関税が高くなったこと。日本で安く買っても、関税を支払うと中国国内の商品よりも割高になってしまったためお得感がなくなったのです。
つまり、日本から中国までわざわざ商品を運んでも儲からなくなったのです。爆買いをしていたのは観光客と言うよりも、その多くはバイヤーや担ぎ屋だったようです。利益を大きくするにはたくさん仕入れるから、荷物も多くなります。高額商品でも利ざやが大きければ、あるだけ買うのは当然。ショッピングではなく仕入れですから。
日本人の感覚としては、仕入れるなら卸業者やメーカーにコンタクトを取りますが、中国ではそんな面倒なことはしません。目の前の現物をつかむのが一番です。
買い物ばかりすると思われていた中国人観光客のイメージもここ1、2年で変わり始めました。今年からビザの発給条件が一段と緩和されたこともあり、ようやく本物の観光客がやってくるようになったためです。
いまでは大都市だけではなく、個々の興味赴くままに地方へ足を伸ばしています。北京で冬季オリンピックが2022年に開かれることから、スキー人気が高まっています。お昼はスキー、夜は温泉というコースが定番のようです。
また、中国の都市部は空気の悪さに悩まされているため、日本のきれいな空気へのあこがれが強いようです。日本の田舎で清浄な空気を思い切り吸い込みたい、肺を洗いたい。ということで「洗肺(シーフェイ)」の旅が大人気とか。日本風に言えば「森林浴」ですね。
きれいな空気の田舎は日本にいくらでもあります。日本の空気を思いっきり吸い込んで、きれいな肺でお帰りください。(水田享介)
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■関連リンク
外国人観光客が欲しがる「○○らしさ」
(NHK NEWS WEB 2019年2月5日掲出)