このコラムでは、以前に世界中の「おぞましい食品」を並べた博物館をご紹介しました。
[617]とある珍味博物館が大人気。スウェーデン
(2018年11月21日)
その波はとどまることを知らず、ついに日本にも波及してきたようです。
昆虫食 はじめました
「2XXX年、気候変動により、牛や豚など地表の大半の家畜が死滅、海洋汚染も広がる中、人類は新たな食糧を求めて未知の領域へ足を踏み出していく...」 SF小説のような話ですが、そんな時代の到来を予感させる「あるもの」が九州に登場しました。(熊本局記者 杉本宙矢)
(NHK NEWSWEB 2018年12月10日掲出)
「昆虫食の自動販売機」とは斬新です。これなら人の目を気にせず、いくらでも購入できますね。
ところで、東南アジアでは昆虫食は日常に定着しており、道ばたの屋台で手軽に買うことができます。バンコクの屋台街を歩けば、バッタ、タガメ、ハチはもちろん、セミやサソリの素揚げもめずらしいものではありません。
雲南地方のとある村の食事風景がテレビ放映されたときのこと。お産に里帰りした娘のために、お父さんはプリプリに太った竹虫を採ってきて、中華鍋で香ばしく炒め始めました。
竹虫を食べてお産をすると、元気な子が産まれるそうです。うれしそうに竹虫をほおばる娘。それを見つめる父の眼は慈愛に溢れていました。
かくいう筆者にしても幼い頃、近所のおじさんたちが松の木のうろに潜む白い虫を棒でほじくりだして、たき火で焼いて食べていたのを覚えています。
虫からわきだした脂で香ばしく焼けたその姿は、幼心にとてもおいしそうに思えました。いまはとてもそんな気持ちはわいてきませんが。
おいしさの基準は、人により国によりさまざま。他人には強要できないものかもしれません。(水田享介)