現在、業務で安全に使用できるWindowsマシンは、Microsoft によるとOSにWindows 10 を採用しているモデルだけのようです。
Windows 10 で毎日の業務を安全 & 効率的に
OS という位置づけから、ひとつのプラットフォームへと進化した Windows 10。PC にもタブレットにもスマートフォンにも統一されたインターフェイスと共通の操作性を提供します。さらに標的型攻撃をはじめとする最新の脅威にも複数の機能で多層的に対抗。
(Microsoft 公式サイト「マイクロソフトがご提供するセキュリティ ソリューション」より)
では、Windows 10 が安心して使用できる環境かというと、実はさまざまなトラブルの種を抱えています。
先日、ある企業からWindows 7 マシンが壊れたので、Windows 10 マシンに入れ替えをしたいとの相談を受けました。マシンが壊れると同時にHDDも起動できなくなっており、取り出せたのはデータと設定のみ。プログラムは新規マシンに再インストールとなりました。
ここで困ったことが発生しました。Windows 7 マシンは32ビット版でしたが、手配できたWindows 10 マシンは64ビット版でした。64ビットOSでは64ビット対応プログラムと32ビット対応プログラムではインストール先が変わってくるのです。
64ビット対応プログラムのインストール先:[C:\Program Files]
32ビットプログラムのインストール先は32ビット専用のフォルダに変わります。
32ビット対応プログラムのインストール先:[C:\Program Files (x86)]
32ビットのWindows 7 から抜き出した設定のパスは[C:\Program Files]のままですから、プログラムが設定を読みに行くパスが違ってきます。「 (x86)」が付くため、パスが通らなくなり当然のようにプログラムは起動しなくなりました。
最終的には苦肉の裏技を使ってこの問題を解決したのですが、32ビット版のWindows 10 マシンを手配するのが意外なほど困難になっており、7から10への環境移行を難しくしています。
さらに正常に動作しているWindows 10 マシンにも、新たな難問が降りかかってきました。自動化されているはずの更新プログラムに、この秋のバージョンでは次々とトラブルが発生しています。
Windows 10で「更新プログラムのチェック」を押してはいけない理由
2018年10月のWindows 10アップデートは多くの問題が発生した。ファイルの削除、ZIPファイル展開時の上書き確認の欠如、フォントレンダリングのバグなどだ。fossBytesは12月17日(米国時間)に掲載した記事「Don't Click On "Check For Updates" In Windows 10; Here's Why」で、この問題はユーザーが自発的に設定から「更新プログラムのチェック」をクリックしたことで引き起こされたと指摘した。安定したアップデートを望むのであれば、このボタンは押さないほうがよいとアドバイスしている。
(マイナビニュース/後藤大地 2018年12月18日掲出)
※更新プログラムのイメージ
Microsoft の説明では、更新プログラムは人の手を煩わせることなく、自動的にいつの間にか済ませてくれるはずでした。しかし、プログラム容量が増大したこともあり、インストールに時間が掛かったり、正常に完了しない、業務データが消えた、見つからない、など重大な事象が立て続けに発生しました。
この更新プログラムの問題は、結局、人間の知恵と工夫で乗り切るしかなさそうです。
その方法はすでに当コラムでご紹介済みです。先日の執筆時は更新プログラムのバージョンは、2018年春のアップデート[Windows 10 April 2018 Update(1803)]でした。
[595]「Windows 10機能更新プログラム」をエラーなしで適用するには
(2018年9月28日掲出)
現在の更新プログラムのバージョンは、2018年秋バージョンとなっており、
[Windows 10 October 2018 Update(バージョン 1809)]
という名称に変わりました。
各PCがそれぞれギガサイズのデータをダウンロードして失敗していては、ネットワークが滞ってしまい、それが新たな障害を増やすことになりかねません。ここはダウンロードするのは一回のみ。そのデータでインストールDVDを作り、このメディアからアップデートするのが確実です。
インストール用DVDの作り方は、上記コラムの通りですので、更新プログラムの場所を以下に読み替えて、実行することをおすすめします。
[Windows 10 のダウンロード]
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
※DVDドライブを使ったインストールのイメージ
なお、2018年12月19日の段階で、[Windows 10 October 2018 Update]の適用範囲がすべての上級ユーザーに開放されました。
「Windows 10 October 2018 Update」の提供範囲が拡大、すべての"上級ユーザー"が対象に
(窓の杜・樽井 秀人 2018年12月19日掲出)
手動でのインストール問題は改善されたようですから、ダウンロードしてのインストールにも問題はなさそうです。年末の大掃除の合間に、DVDドライブから最新バージョンにしておけば、年明けそうそう、自動更新でPC作業が滞るのを未然に防止することができます。(水田享介)