『赤毛のアン』(原題: Anne of Green Gables)はカナダの女性作家、モンゴメリが1908年に発表した長編小説で、今年で110年目を迎える不朽の名作といわれています。
筆者も中学生の頃に一度は読み始めたものの、主人公が女の子というせいか感情移入がうまくいかず、また思いのほかストーリーが長々と続いて、ついに途中で投げ出すことに。結局、どんな話だったかあまり記憶に残っては居ませんでした。
※「Anne of Green Gables(初版本の表紙)」/Wikipediaより
テレビ番組「100分de名著」(NHK Eテレ/毎週月曜日・午後10時25分~10時50分)で、この本を取り上げると知り、懐かしさと少しの後悔が入り交じった気持ちで視聴してみましたが、いまでは熱心に見入っています。
脳科学者の茂木健一郎さんの解説がわかりやすくて良いです。
『赤毛のアン』の素晴らしさを伝えたくて伝えたくてもどかしい気持ちとこれだけは言っておきたいという熱意がそうさせるのでしょう。ほとばしるように一気に飛び出す熱い語り口に、視聴者はいつの間にか「アンの想像世界」に引きずり込まれてしまいます。
それを冷静にうけとめて進行役に徹する伊集院氏とアナウンサーのお二人。三人の息がぴったりあって、アンの心の内、つまり作者のモンゴメリの書きたかったことがようやくわかってきました。
茂木さんによると、『赤毛のアン』は少女向けのただの作り話ではないと毎回のように力説しています。
アンが生きた110年前の世界でも、赤毛をからかう「いじめ」があったり、「不登校」や「差別」、「こころのすれ違い」がありました。
この問題に直面したアンはどうしたのでしょうか。茂木さんはアンが精一杯の努力で示した行動は100年後のいまでも役に立つことがたくさんあり、この本の中には今の子どもたちを救うヒントがたくさんちりばめてあると言います。
そんな「100分de名著『赤毛のアン』」は、2018年10月22日(月曜日)の回が最終回です。
「100分de名著『赤毛のアン』・第4回 宝物は足元にある!」
今回の番組のために書いた茂木さんのコラム「男子も読もう、赤毛のアン」(名著、げすとこらむ。)も、ぜひご一読ください。
『赤毛のアン』のあまりの話の長さに読む気持ちが折れた筆者も、このコラムでもういちど読み直そうという気持ちになりました。
幸いなことに「第4回 宝物は足元にある!」の回は、10月24日(水:午前5時30分~/午後0時00分~)、10月29日(月:午後10時25分~)、10月31日(水:午前5時30分~/午後0時00分~)と5回の再放送があります。
今回の放映だけを視聴しても、『赤毛のアン』のおもしろさを発見できることでしょう。ぜひとも、お見逃しなく。(水田享介)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
■関連リンク
「100分de名著」 公式サイト
番組を見逃した方はこちらのテキストで
「モンゴメリ『赤毛のアン』 2018年10月」